第1回読まず嫌い読書会レポート

読まず嫌い読書会とは・・・?
人気作家なのに、ベストセラーなのに、なぜか読まなかった作家、作品ってあるのでは・・・?この機会に、今まで読んでこなかった作家や作品にトライしてみませんか!
というコンセプトで始まった、第1回「読まず嫌い読書会」。その記念すべき第1回に登場した作家は‘村上春樹’そして課題図書は「国境の南、太陽の西」。3月14日土曜日ホワイトデー!男性中心に集まりました。村上作品をほぼ読んでいるという方が1人。あとは何冊か読んでいると言う方3人・・・まったく読んでいないと言う方が2人。さてさて、読まず嫌いは克服できたのでしょうか!?

●それではエッセンスを少し~。
★村上春樹を読んだ事は・・・?
・「ノルウエイの森」は上巻のみ読んだけれど、でもほとんど覚えてない。「アフターダーク」を途中まで読んであきらめた。「国境の南、太陽の西」は初めて完読!
・「ノルウエイの森」は映画で見たけど・・・。「海辺のカフカ」は途中まで読んでダメだった。でも「国境の南、太陽の西」は自分も「一人っ子」だったから通じるところがあり、面白く読めた。でもこんなロクでもない奴じゃないぞって!
(一同笑い~)
・多分、1~2作品くらいは読んだけれど、何を読んだのか覚えていない。作品名も感想も浮かばない・・。
(一同ちょっと「ええ~っと」仰天!と笑い・・・。)
・村上作品は全く読んだ事がない。この作品も32Pまで読んだけれど、時間がなく読めなかった。でも感想としては「おしゃれじゃないか!」
(そう!おしゃれなんですよね!)
・「1Q84」と「ねじまき鳥クロニクル」は読みました!でも「国境の南、太陽の西」は恋愛ばかりなので、ちょっとダメでした・・・。
・村上作品は全部読んだ!(一同「えええ~っ!」感嘆の声)

★(全部読んだ方に向けて)村上作品のどこが心に響くのか?
・最近は心に響くことはあまりない。年を重ねたからかな。でも文章がとても上手いから読んでいる。高校の時「1973年のピンボール」に挑戦。当時はよくわからなかったけれど、大学生になってから読み始めて村上春樹にはまった。なので、「国境の南、太陽の西」はこれで(単行本)持っています。(一同「おおおお~!凄い!」)20歳の頃読んで、この会があるから先日再読したら面白かった。
・内田樹先生って「村上春樹」すっごい好きでしょう?
・それでこの会を決めた?
・違うよ!ただ苦手だから・・・・。・あ~そうだった!
・あんなに売れているのに、「ハルキスト」が多いのに!ていうかハルキストって呼んでいいのですか?
・新潮社のサイトで村上春樹が読者から質問メールを受け付けている時期があったけど、そのメールに「ハルキスト」って呼ばれるのはどうか?という質問がすごく多かったらしい。で村上春樹は「村上主義者」って呼ばれたい。「ハルキスト」って呼ばれるのは嫌いみたい。
・「村上主義者」ってどういう意図・・?
・多分ジョーク!!(なるほど~!かっこつけてる~・・・・!?)
・臨床心理の大学院の学部にいるとき、先生から「村上春樹」を読みなさいと凄く言われた。
・先生が村上春樹好きだから?
・「深層心理」を理解しようと思うのであれば、「村上春樹」を読んで潜れと言われた。
・それで潜れた?
・この作品では潜れないです。
・この作品はそれ系の作品じゃない。潜る系の話は長編の方。
・長編を読んで潜りはできた、それが自分にとって大きなことだったかはわからないけれど、自分が本を読めるようになったのは、「1Q84」に出会ってから。
・深層心理って何?
・ちょっと恐い系の・・・・。?

★「国境の南、太陽の西」の感想は・・・?
・読み終わったらただの‘不倫小説’じゃんって思ったけど、それをこんなに文学的に美しく描いたところに惹かれた。文章がものすごく上手い。そこが良かった。
・でも主人公の男性、嫌だな~。普通に不倫するよりより嫌だ。不倫している自分に酔っている感が嫌だった。
・寂しい男の話?→そうかな。
・「ノルウエイの森」もこの作品もストーリーだけ追ってしまうとしょうもない話なんだけど、ストーリーじゃ読まない。
・文章で読むってこと?
・そこのところが説明が難しい・・・。
・それは分かるような気がする。ストーリーだけ追っていたら、こんなに有名になっていないし、こんなに売れていないし、違う何かがあるんだと思う。
・内田先生が村上作品を読むと、思春期の頃に感じた感覚、その頃にしかなかったような煌めきをまじまじと感じることが出来るって書いていらっしゃる。自分も作品を読んで、それなりに感じることが出来た。
・「不倫」がテーマじゃないと感じた。それはあくまでも表現の手段?自分が何なのかわからなくなって、それを投影した先が不倫だった。
・その感覚に近いかな・・・。
・心理学のテキストのような感じで読んだ。
・中間くらいの感覚で読んだかも・・・。
・拒否反応が早めに出ちゃったのかも、だからこの作品駄目だったのかな。
・男性だからそれほど拒否反応は出なかったけど、やはり女性はダメだったのかな?
・あらすじを説明した場合と読んだ場合とでは違うものになりそう。
・この本、あらすじだけ聞いたら、ただふ~んで終わってしまうよね。

★ベストセラーになったのはなぜ・・・?
・出版される本はほぼ全部世界的にベストセラーだよね?
・。特にフランス人にファンが多い?
・でも韓国人にもファンは多い。

★なぜ「国境の南、太陽の西」を課題図書にしたの?(皆からめっちゃ突っ込まれ・・・)
・タイトルと本の厚さでなんとなく・・・友達も面白いと言っていた。
・村上作品では、現実的な話が出てくるのは「ノルウエイの森」とこの作品くらい。どっちかっていうと村上作品の王道ではない。→王道ってどんな作品?
・王道は、もっと不思議な話が多い。羊男とかカエルくんみたいな変なキャラクターが出てくるし。ファンタジーっぽい要素も入っている。そちらの方が村上さんらしい。
・「ねじまき鳥~」は壁抜けするし・・・。物凄く心理的な描写だなと思った。
・心理的・・・って?
・手段としての「壁抜け」。本質は、どうしたって形に出来ないようなことを、形にすると、きっとこうなるだろうなという表現。人間の心の動きとしては、こういう動きをするときがあるんだろうと思う。
・病んでいる?
・ご本人はとっても健康的な生活をしている。「病んでいる作品」(?)を描くためにとてもストイックな生活をしている。
・長編を読む時って覚悟を決めないと読めないですよね。

★村上作品の良さって最初からわかっていた?それともだんだんとわかってきた?
 その時に村上さんのほかに好きな作家はいたの?

・村上作品はだんだんと良さがわかってきたかな。
・80年代~90年代初めの頃の雑誌とか文体とかは軽めのものが多く、苦手意識もあり、外国の翻訳物が好きで、翻訳されたみたいな文体が他の人とちょっと違うなと感じた。
・翻訳物が読めたら読めるのかな?
・この本は哲学とは違うの?哲学の本をたくさん読んだ人はどう思うのかな?
・女性との関係を自分から選んだのかなっていう疑問。
・多分ない。ず~っと流されていっている感じの人生。特に何かを選んだとは思えない。
・選ぼうとしたけどダメで、結局元に戻っている。唯一選ぼうとしたのに流れに押し戻されてしまった。
・それだったら共感できる人は多いな。ニーチェっていう哲学者がニヒリズムについて言っていることで、ニヒリズムって人生に意味がないっていうことで虚無主義。現代はそのニヒリズムを持っている人たちが多いな。今の人たちは自分と言う主体がない。人に言われたからやっている。世間の流れに合わせている。自分が選択したぞって言う意識が希薄。
「流される」ということをうまく描いているのではないか?
・155Pの最後の2行。鏡に向かって深くため息をついたというシーンが凄く印象的。

★この本を読んで、他の作品も少し読んでみようかなという気持ち。お薦めの本は?
・村上作品で一番人気のある作品は『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』
新潮文庫で上下巻。結構昔に描かれている。世界の終わりっていう方とハードボイルドワンダーランドっていう二つの話が交互に進むストーリー。そういう書き方をした最初の長編で、凄く面白かった。王道の村上春樹が読みたければおススメ。「海辺のカフカ」も。
・読んだら読めるって言う気になってきた!
・伏線も綺麗に回収されて結末も良い。最近の作品は伏線を張っていても全然回収せずに終わる、投げっぱなしの作品が多いし・・・。
・ミステリー好きは回収しない話はダメだな~。
・回収しないって!文学だから許せるのか!?
・閉じた物語が好きか?開いた物語が好きかの違いでしょうけど・・・。
・最初に何が良いのか薦めるのはほんとに難しい!
・読み終わったら別人になっているっていう人もいた。
・宮崎駿のアニメを見た後に似ている。凄く共通点が多い。
・赤裸々な思いを描いてくれる人は必要かな。
・自分と通じるところが出てくると共感する。そういう部分が多いのかな。
・「ノルウエイの森」の映画を観たけれど、本を読んでいるといいけど、しゃべっているのを聞くとほんとに恥ずかしくなる・・。

村上ファン一人VS読まず嫌いたち。「国境の南、太陽の西」この課題図書だけでは読まず嫌いを克服できなかったかな・・・。いつか、村上ファンおススメの「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」で再度!読まず嫌い読書会をやりたいです!その時は村上主義者の方たちにもっともっと語って頂きたいと考えています!

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