第23回内田樹読書会レポート

3月25日(水)に第23回内田樹読書会を行いました。課題図書は「街場の文体論」。
男性5人、女性2人で語り合いました・・・う~ん!難しかった!
ではダイジェストをどうぞ!!

★感想を聞きました。
・クリエイティブライティングについてと言いながら、クリエイティブライティングの講義にはなっていない。
・何らかの文章を書くための講義であればあまり役に立たない・・・・
・大学生に求めても無理・・・。
・興味深い内容ではあるけれど、大学生が聴いてどうなの?
・教師が文章を書けないから・・・ね。
・外国語を勉強することは世界を体験すること
・何が言いたいのかわからない。この講義を聴いて、文章が書けるようになるかは疑問
・ネットでは好評価?でも難しい。
・街場シリーズ最高傑作!!!?

★興味のある箇所は?
・村上春樹論「潜る話」。
・戦争を憎んでいた丸山眞男と戦後の生き方に苦悩した吉本隆明。
・司馬遼太郎の作品は内向きだから、海外向けに翻訳されない。
・「坂の上の雲」は、日露戦争で勝って凄かった大日本帝国を自画自賛した作品。そんな本は外国人には読まれない。
・日清・日露でいくら勝っても、その後の大戦で大負けしたからそれで終わっている。
・谷崎潤一郎作品はフランス人に人気が高い。
・谷崎の「細雪」の英語版は外国人にとてもよく売れた。

★この本の中のクリエイティブライティングと考えられること
・読み手に対する敬意。
・感情の赴くままに書いていいようなことを探っていこう
・メタメッセージで書け
・想定読者を考えて書け
・P240 いろんな古典を読んで真似ろ。
・でも大学生がこれを授業で読み解くのは不可能。だから本が出るから買って読んでねって言っていた。

★気になった箇所!
・論文でいうと、フランスの現代思想は哲学ではちょっとバカにされている!矛盾だらけの論文を発表して、物理学者に小難しいことを言って言葉遊びしいるだけだと指摘された。
・P41学術論文について!
・理系の論文というと全部決まってから書いている?
・そういうこともあるけど、枝葉で発見がある。そういう時、データを取っていないと大変困ることになる。小保方さんみたいになってしまう。
・小保方さんは、データをきちんと録ってなかったんだろうね。
・STAP細胞、もしかしてあったかもしれないのにね。
・再現するのに、カメラで監視するなんて、ほんとに日本人らしいやり方です。
・理系の論文は、結局はさらなる論文を待つ!ということでいいですよね。
・行き先がわからない論文ってあるのか?
・それはもう論文じゃないです。
・文系は同じテーマでいくつも論文を書くって本当なの?
・そうですね。憲法学者なんて、「〇〇条」だけで30~40年研究して書いています。
・娘の卒業文集に親が書く欄があって、だれに向けて書いていいのか迷いました・・・。
・誰に向けて書くっていうとトラウマが・・・。昔上司のゴーストライターやっていて、読む人間を想定して書けといつも言われていた。
・ゴーストライターならここにも・・・おっとゴーストライターズですね!
・気なる箇所っていうと「阪神間」!

★ここから「阪神間文化論」でおおいに盛り上がる
・「阪神間文化論」とは、芦谷(超富裕層)・西宮が「ザ・阪神間」と言われるコアで独特の文化論が生まれた場所。
大阪浪速のボンボンが移り住んできて、豪奢な暮らしをしたのが始まり。谷崎潤一郎の「細雪」(お嬢様、お坊ちゃま)の世界観。
「阪神間ライフスタイル」は、買い物は「イカリスーパー」、レストランも決まっている、自家用車は高級外車(ベンツ、BMW、ジャガー、ポルシェなどなど普通に走っている)
そういう生活がステイタス。石垣のある大豪邸がある。
小田急沿線に住む、「世田谷」のマダムご用足しスーパー「成城石井」もそんな感じ。
そういう生活に憧れる、「神戸女学院」はまさに「ザ・阪神間」ド真ん中!
女子高も良家のお嬢様が集まるブランド校と、そうでない学校に分かれている。
ブランド校では、上級生を「お姉さま」と呼んでいるらしい。
外側から客観的に視るとちょっと変わっている。でも暮らしてみるとその良さがわかる。
米子とか、松江って「阪神間」的なところって?
米子は出身高校で派閥ができる!?らしい。都会に人から見ると不思議。
鳥取県、県民性がないのが県民性だって!
「週刊ダイヤモンド3月21日号」の特集が「いざ、都市対決」。島根県と鳥取県がお互いにライバル視している割合が80%以上。ダントツで全国1位だったのが面白かった。
「京都」言葉はくせもの。闇が深い!?「阪神間」とちょっと違う。

★〆じゃないけど・・・最後にちょっと気なった箇所
・P243の「表現」について、障害者を「障がい者」と表記するのはどう?
・勝手にタブー視して表現を変えることはいいのか?どうなのか?
・日本は言葉だけでとりつくろうとしている!
・公文書の表記で「自殺」がいつのまにか「自死」に変っている。知らなかった!

『街場の文体論』、文体論に関しては最初の方だけ。
でもでも「阪神間文化論」で大いに盛り上がりました!
とても面白かったです。興味深い話が多く聞くことが出来ました!
次回は4月22日(水)午後7時半~9時。
テーマ本は「疲れすぎて眠れぬ夜のために」(角川文庫)です。

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