第28回内田樹読書会レポート

8月20日(木)に第28回内田樹読書会を行いました。
課題図書は「本当の仕事の作法」内田樹/名越康文/橋口いくよ。この三人の対談集です。
仕事について、最近の若者について、老若男女で語りあいました。
本日は飛び入り参加の男性の方も入れて、男性6人、女性4人の10人が参加。今回はなかなか真面目に話しております!

【トピックスを紹介!】
●「ブラック企業」・「即戦力」・「派遣」そして「幸福」について
・ブラック企業とは大手企業が‘やりがい’という言葉で若者を引き寄せて燃やして燃えカスになったらポイするっていうイメージだと思う。
・急激に伸びた企業は「ブラック」と言うイメージがある。社員を育てない。
・ゆっくりと成長してゆく企業は、社員をきちんと育てている。そんなイメージがある。
・ブラック企業が蔓延してきた責任は、企業側もあるけれど、教師の責任が大きいのではないかと思う。(推薦状は誰が書くべきか?)
・企業も学校側も学生に対して無責任だから「ブラック企業」が蔓延ったのか?
・企業と学校側・生徒との信頼関係が大事だと思う。
・推薦状とか、面接とか、学校では就職ガイダンスでみっちり教えている感じはするが、推薦状で落ちる、落ちないはどこに差がある?
・企業の大学への信頼度では?
・実務的(仕事)と学校の成績はイコールになるのか?理系はつぶしが効くけれど、文系は本文にあった「愛嬌」「運がよさそう」「後姿」でしか判断してもらえないような気がする。
・企業は社員に莫大なお金をかける訳だからいい加減な面接はしない。
・学生はその企業にあった自己分析をして、面接に臨む傾向にあると思う。
・企業にとって社員を選ぶのは賭け。だからブラック企業かそうでないかは、人を育てるかそうでないかで決まるのではないかな?
・最近のニュースでは、「ブラック」と言われている企業の業績不振や不祥事が多いと思うが・・・。「ブラック」だと判明したら、その企業の関連には足を運ぶ?運ばない?
・それはあまり気にしないかな・・・・。
・結局、日本人は、「ブラック」だろうがなかろうが関係ないってことかな?
・そこで働いている人は一生懸命働いているから。
・昔は何人も採用して、その中で面白枠っていうのもあったと思うけれど、最近はそういうゆとりが企業にはない。すぐに「即戦力」という。
・「即戦力」はどこで身につけたら良いのか?「即戦力」って、会社に入ってどういう仕事があるかわからないのに、それを求められても困るのでは?
・本書の中に「コーリング」という言葉がある。仕事の方から舞い込んでくる。これしか出来ないと思うのではなく、なんでもやってやろうと言う気持ちであればそういう境地になる。
・「即戦力」を謳う企業は、社員を育てる余裕がないのでは?出来合いを求めている。
・リタイアした人たちだけを集めれば?そういう中小企業が実際にある。
・日本でも中途採用しか採りませんよ、みたいな会社がもっとたくさんあれば良いと思う。
・企業と雇用者を繋ぐ、隙間を埋める仕事が増えるのではないか?
・大学院で修士課程を取った人と博士課程を取った人では修士課程の方が使いやすいらしい。博士課程だとすでにプロフェッショナルだから。
・博士号を取った人は教える力はあるのか?人を教える力はどうつければ良いのか?
・「俺の背中を見て覚えろ!」的な感じでしょうか?(師弟制度?)
・「俺の技を盗め!」的な職人と弟子の関係が、古くからある伝統職人技から若者が離れる原因になったのではないかと思う。
・「教えるプロ」養成や「即戦力」と言われる工程のマニュアルを作る仕事を新しく興したら?結構ニーズはあると思う。(中継ぎの仕事)
・それが「派遣会社」ではないか?しかし、専門的な派遣とそうでない派遣の違いがある。
・ドラマ「ハケンの品格」を見ると「派遣社員」の矜持が描いてあって面白い。
・仕事をするということは、やはり企業に帰属することになってしまうのか?
・アメリカの調査。アメリカは成功する事=お金持ちになるというイメージがあるが、高収入=幸福ではないという結果だった。人間は生きている三分の一は仕事をしているのだからそこに何を求めるのかが重要。

●「好きな事を仕事にする」について
・好きな仕事ではなく、好きな仕事から少しずれたところでやっていくと長く出来る
・しんどいことをやったという変な達成感に浸る。
・会社への帰属意識と罪悪感。チームへの帰属意識が高いと危険?なんでもありみたいな状態になってしまうのでは?
・愛社精神はあるか?昔は「終身雇用」が主流だったから‘愛’はあったのかも。
・今は、生活のために働いているから‘愛’はない!?モーレツサラリーマンは今や神話。

●「本当の女子力」が日本を救う。
・女子力って?一緒にいる男性の気持ちを上げることが出来る人かな?
・まず、しぐさが可愛い、リアクションが抜群に良い。絶妙のタイミングで相槌を打つ。
・そういう女子は男性にとっては良いけど、女性の敵は多いと思う。男性が考える女子力と女性が思う女子力とは違う。女性が思う女子力は「宝塚」の男役みたいな「男前」な人。
・男性にとって「女子力」の高い人は、いきなりワープするみたいにとんでもない奇跡が起きたりする。
・女子力は修行で得られるものではない。そういうのは「媚びる」って言うってほんと!?
・その女子力が日本を救うって結論としては?
・男性をハッピーにして、お金を使わせることによって経済がまわってゆく!極論だな。

●今の「若者」、「サラ―リーマン+副業」について
・昨今の若者は、「雑用」を好まないような気がするが・・・。
・「雑用」をしたくないと言う人は、仕事をしたくないと言っているのと同じでは?
・若い人は早く結果を出し過ぎる傾向にある。そうして自分の中にある仕事像を求め会社をやめて、自分探しの旅に出るということが多いと思う。
・あなたにやってもらいたい仕事=自分の仕事という自覚が持てないと思う。
・仕事の範疇を決めずに、こういうことも面白いなと見つけられる人が、汎用性が高いような気がする。
・自営業の方の話を聞くと、自分で仕事の看板を背負ってやるっていうことが仕事だなと思った。リスキーだけど。雑用が嫌って言う人は起業できないと思う。
・「サラリーマン+副業」ってあっても良いと思う。生活のための仕事と自分のやりたい仕事をバランスよくやれば楽しいと思う。しかし本業の方はおろそかにしない。
・偉い人は言っている「1、2年は我慢しろ!助けてくれる人がいる。我慢してやっているとやるべき道が見えてくる」他人の評価は意外と正しい。

●「通勤環境」と「現場力の」関係について
・都会の通勤環境は、生のエネルギーを失くしそう。人生が不幸になる気がする。
・テレビ会議やノマド的な仕事で皆が一か所に集まらなくても良いのでは?超満員電車やバスの通勤地獄は減ると思いますが・・・
・ニュースを見ていると、最近ケアレスミスが多いよね。それってテレビ会議などの便利なツールに頼り過ぎて現場を視ていない証拠だと思いますがどう?
・テレビ会議や遠隔操作に頼ってばかりいると現場力が低下すると思う。
・「現場」の勘は大切。そういうツールで仕事をする人こそ、現場に行くべきだと思う。
・通勤環境や合理性を考えるけど、結局‘ノイズ’は必要って事。
・通勤環境を変えるには、耳と目を使って色々な事を吸収する!そして商売に繋げる!

今回も色々な意見が出ました!「仕事」がテーマだと盛り上がります。皆、仕事が好き
なんだなあ~。
次回9月のテーマ本は、内田先生から離れて「紋切型社会」で語りあいます!

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