9月28日(水)に第41回内田樹読書会を行いました。
課題図書は瀧本哲史さんの「ミライの授業」。
今回は男性5人、女性6人、合計11人で語り合いました。
女子高校生が初参加してくれました!!!
この本は、著者が中高生に向けて書いた未来を担う子どもたちへのメッセージです。
大人の私たちが読んでも驚きの発見などありました。
冒頭、著者がこのように言っています。
「君たちは未来の住人であり、大人は過去の住人なのだ」「残念ながら大人たちは自分が夢見た21世紀を実現できなかったのだ」。
う~ん確かに・・・。
それではトピックス!
【全体的な感想】
・大人が読んでも面白かったけれど、へこむ。
・こんなダメダメな世の中にしちゃって若い人にごめんなさい。って気持ちになった。
・中学生がこんなこと言われてもわからないかも。
・流れに沿って生きていけば何とかなるかなと思っていたけど、自分たちが作っていかないと始まらないんだという事に気づかされた。偉人の過去がわかって良かった。
・今の30代~40代、いまいちパッとしなかったから、あなたたちが頑張りなさい。みたいな。
・20代はまだまだ頑張れると思っていますよ~。何故こういうことをやるかわからなかったことが最近繋がってきているような気がする。
・いつまでも若いと思っていたほうが良いかな?未来を作りますよ。
・P253で著者が大人をフォローしています。かつて14歳だった今のおとなたちへ。良いです!
・40代~50代はこう思っています。若いころは世の中が変わらない気がしていた。今の常識はつい最近常識になった。今後どう変わるかわからない。人間自体は変わっていない。でも技術は変わってゆく。
・この本を読んで、今の十代の子どもたちの心は揺れるのかな?ちょっと考えにくい。
・中学生のとき、塾の先生が言った「君たちには勉強しかない、勉強をしろ」でスイッチが入った。
・いくらスポーツで極めても、その後の生き方が難しい。でも勉強しておいたら役立つことは多い。
・十代のころは点で入ってくる情報の方が多い。その点の情報に気づくのは十代では無理だと思う。
四十代で気づく。歴史や他の学問でも流れがきれいに収まるように、点を線にして教えてくれる人がいるとストンと頭に入ると思う。
・学問で「地政学」が今は流行っている。世界史、日本史、地理など系列で見る。総合的な見方で世の中を見る。そういう本がいくつか出てきている。
【偉人について思ったこと、その周辺から派生した感想・意見。】
・シャネル 成功すれば何でも肯定される。
・ニュートン 哲学を捨てたとあるけど捨てていない。数学も科学も哲学の一種で、やっていることは同じ。パスカル、デカルトも・・・。
・AI(人工知能)が進むと機械が人間にとって代わるかも・・・。仕事が無くなる。
人間は何をするのか?今の就職セオリーが効かなくなるのでは?人間しか出来ない仕事を考えておかないと・・・。
・単純作業は機械化、アメリカでは薬剤師はすでにいない、薬の処方はコンピュータ化。
・コンビニ無人化?AIが小説家になる可能性も・・・。囲碁もAIが強い。
・あと20年くらいしたら、孫と「昔は買い物する時、外に出かけてたんだよ~」「え~ほんとに?」みたいな会話が成り立っているかもね?
・日本国憲法の原案を作ったアメリカ女性や、サッチャー首相が凄い!
・ノンフィクションを読んでいると、「思い込みはダメ」「でも自分の決めた道はススメ」といった矛盾することが書いてある!じゃあどうすればいいの?って悩む。
(大人の答え・・・誰か!)
・思い込みや妄信は未来を狭くすると思う。色々な意見を聞いてそんな考え方もあるのかって認める。回り道をしてみる。ふんわり考えておく。決めすぎてそれが出来なかったら自分が苦しむことになる。その中でブレない自分を見つければ良いではないかなと思う。
・この本は、材料の選び方、偉人のエピソードや、こんな偉い人でもミスるのかと言ったインパクトの大きさで素晴らしい構成力だと思うけれど、結局、結果論でしかない。森鴎外のエピソード(森鴎外は医者としてはほとんど功績が残せないまま・・)の持って行き方はフェアでないと思う。「脚気論争」については、もっと調べて慎重に書いて欲しかった。そのあたりをきちんと書いていれば、この本に奥行きがでたのではと思う。(わかりやすくするために恣意的に書いたのかも知れないが・・・)
・そうだったんですね。すごく勉強になりました。森鴎外、結構悪く書かれたこともありますからね・・・。
・コナン・ドイルは、「シャーロック・ホームズ」で成功したけれど、本人はオカルトが描きたかったらしいです。自分がやりたいことと周りが認めるってことが違う場合がある。どう折り合いをつけるか。
・「栄光なき天才たち」という漫画に、陽の目を見なかったけどこんなに凄い人がいたっていうことが描いてあります。興味のある人はぜひ読んでみては?
・成功しているはよけいに運と結果論だなと思う。
・進路相談で子どもと先生がかみ合っていない。
・10代で進路を決めろって無理!!!
・この本は、みんなが頑張って企業しなさい、一歩踏み出しなさいって言っている本だと思う。
・20年後の仕事ってどうなっているかわからない。そのために過去を知るってことだと思う。
・発想の転換をしたら、新たな事が出来たり、未来が開けたりするという風にとれる。
・自動車王「フォード」のエピソードがその発想の転換を良く表している。
・イノベーションの事例が多かったように思う。例えば!宇宙エレベーターを作るという発想。
・技術は考えられるのは無限。人間の夢と理想に技術が追い付く。今出来ないことがあっても技術革新でいつか出来るようになるから、料理が出来ないとか、掃除が出来ないとかで悩まなくても大丈夫だと思う。(みんな勇気出るね~~。)
・別の人がやってくれるって言うのは内田さん的考え方ですよね。「一人では生きられないのも芸のうち」。
・今の高齢者をカバーする車がつくれば良いと思う。
・高齢者が人間らしく生きられる世界を作って欲しい。どうせ行く道だし。
・VRで楽しめる!!!!
・医療が進歩すれば、認知症もなくなる、生か死か選択できる時代になると思う。医療現場も転換期。
・人間のやることだから正しい、人間のやることだから怪しい・・・。
・今のところ、人間は機械を充てにしていない。どこかで信用していない。コスト面や危機管理などを考えると機械のほうがはるかに良いと思うけど・・・・。
・車など技術が進み過ぎると人間にとって本当に良いのか?あまりにも便利になり過ぎると人間は何のために生きているのか、たまにすごく疑問に思う。
・人工知能で人間の仕事が無くなるかもしれないという危機感だけど、人間が考えることだから自分たちに不利になるようなことはしない。どこかで歯止めがかかると思う。だからそんなに心配しなくても大丈夫かなと思う。さらに高齢者が人間らしく、いかに楽しむか?超合理的な社会で、非合理的な遊びを楽しむ!Youtuberになる。
・再生回数が4回くらい?人工知能から「いいね!」のコメントがつくとか!(大爆笑!)
・人工知能のコメントで承認欲求が得られるよ。
・AIとの恋愛は‘超’はまる、リアルな恋愛が出来なくなるかもしれないよ~。AIでマッチング?
・まとめです。色々な考え方があるので、この本もひとつの武器として読んで欲しい。
参考資料として
●地政学関連書
・高橋洋一「図解地政学入門 世界のニュースがわかる!」(あさ出版)¥1400(税別)
・楠木誠一郎「日本史・世界史同時代比較年表」(朝日文庫)¥660(税別)
・三宅洋一郎/他「絵でわかる人工知能 明日使いたくなるキーワード68」(SBクリエイティブsi新書) ¥1000(税別)
・村田沙耶香「消滅世界」(河出書房新社)¥1600(税別)
・今回は人工知能でいったいどうなるのか?人と機械の違いは・・・?という話でかなり盛り上がりました。これから何をすればよいのか?ほんとに大人はもう何もしないで良いのか?これから世界はどう動いて行くのか?あらゆる変遷に遭遇しても過去に大転換期を経験した偉人の業績を知ることによって乗り越えられると信じます。
次回の内田樹読書会に続きます~~~。