第12回カラコロ夕刻読書会 レポート

10月15日(土)午後7時半より、閉店後の今井書店殿町店にて「第12回カラコロ夕刻読書会」を行いました。
男性3人、女性8人の計11人の方にご参加頂きました。
今回は「映画【シン・ゴジラ】と【君の名は】を語ろう」というテーマでみなさんに話して頂き、大変盛り上りました!
では内容をピックアップして紹介!

★テーマ「映画【シン・ゴジラ】と【君の名は。】を語ろう」

参加者11人の中で、どちらの映画も観ていない人は2人。
シン・ゴジラだけ観た人は2人、君の名はだけ観た人は1人 あとの方は2本とも観たという方々。
そういう中で会は始まりました。
観ていない方のために、ネタバレにならないように気をつけようと必死・・でしたが・・・。

<--以下、映画の内容に触れるところがあります。ご注意下さい-->

・「シン・ゴジラ」と「君の名は。」は見事に好対照の映画。
・「シン・ゴジラ」は子供がでてこない。庵野監督は、「エヴァンゲリオン」からすると大人になったと思う。エヴァの主人公14歳の碇シンジから、「シン・ゴジラ」の主人公、内閣官房副長官・矢口という大人のキャラが描けるようになった・・・。ゴジラをなんとかしようという強い思いが伝わってくる。
・「君の名は。」は、主人公二人だけでなんとかしようとするドラマだと思う。ゴジラと違って、家庭、学校など生活感に半端なくこだわっている。また登場人物はみな温かい感じ?
・「君の名は。」のストーリーは?
・夢の中で男女が入れ替わり、その記憶がないまま色々と進んで行く。彗星が飛騨に墜ちて村が無くなり、主人公の女の子は亡くなっている設定!古典的SFもの・・。
(これってネタバレ!じゃないですか?いいんですか???とざわざわと・・・・)
・この話をしないとあらすじが語れないです・・・!!
・実は女の子の方が年上です。そして時間軸がずれている。そのあたりもSF的展開。
・主人公の設定は?男の子イケメンでおしゃれなレストランでバイトをしている高校生。父と二人暮らしで、設計の勉強をしている。
・実はたくさん裏設定があります!詳しいことは「小説君の名は。」「君の名は。 Anoter・Story」(いずれも角川文庫刊)に書いてあるので読んでみて下さい。
・「シン・ゴジラ」「君の名は。」2作品とも監督のこだわりが凄すぎる。だから何度でも観たくなると思う。
・「君の名は。」はアニメらしからぬ映像美、ビジュアルの美しさ、風景が写真みたいに綺麗なところも非常に評価が高い。
・「君の名は。」は小説を読んでから映画を観た方が良いのか?逆が良いのか?
・小説を読んでから見ても何ら問題はない。逆に読んでから観た方が細部の設定がわかって良いかも!
・「君の名は。」の監督・新海誠さんはいくつか映画をつくっていますが、ここまでヒットはしていない。今回は川村元気さんとコラボしたから一般受けの映画を作ることが出来た。
・「シン・ゴジラ」は、外国で上映されていますが、賛否両論のようです。日本の政治システムを理解していない国では不評みたいです。
・手法でいうと庵野監督は、画面に明朝体白抜きの文字を入れるのがお約束で、今回のゴジラでもやっています。ゴジラのお約束もしっかり入っていて、わかっているから観られる。
・その手法は戦争映画(記録映画系)の影響だと思います。
・ゴジラって何のために出現したの?
・ゴジラに意図はない。ただ出現し、破壊する。何なのかわからないもの。使徒・・?
・今までの怪獣映画とは違う意味合い。災害の象徴として描かれているような気がする
・やはり、3.11を意識しているのだと思う。(「君の名は。」も隕石が落ち災害にあっている)
・3.11を意識して「シン・ゴジラ」のラストの方は避難していた子どもたちが家に帰れることになって喜ぶシーンが描かれている。
・ハリウッド映画でも良く使われる手法、パニックや特撮映画では絶対的なタイムリミットを設けている。
・無人の電車に爆弾を積んでゴジラを攻撃するシーンが圧巻だった。
・鉄オタの人を意識した創りかも・・同時に特攻に対する反感。人を乗せての体当たりは絶対にしてはいけないという意識があったと思う。
・登場人物はどう?アメリカ大使役の女優さんのうさん臭さが良かった。(ネタ仕込んでいる!?)
・課長補佐の女優さんが面白かった。マニア層に大人気。防衛大臣役も良かった!
・最初の1時間くらいは巨大生物が出現しても全く対応できない政府のぐだぐださが描かれている。(3.11のリアル政府の対応もこんな感じだったのでは?)
・大災害が起こったら政府のどの分野がどう動くのか全部調べて作り上げた。
・「シン・ゴジラ」は災害パニック映画であり、庵野監督が好き放題やっちゃった映画?
・庵野監督が脚本を担当した短編映画「巨神兵東京に現わる」で、巨神兵がただ東京を破壊してゆく。その巨神兵がゴジラに代わっただけ?
・なんで巨神兵?(ナウシカの)
・庵野監督は、師匠の宮崎駿監督に「風の谷のナウシカ」の巨神兵を描かされ、人間が書けなくて、いつも怒られていたらしい。(皆、爆笑!!)
・第二形態のゴジラが蒲田地区を蹂躙する。蒲田くん。気持ち悪いですよね?
・今回、段階的に巨大ゴジラになってゆく。今までのゴジラとは全く違う。
・日本政府VSゴジラ。やしおり作戦(やまたのおろちをやっつける作戦)も面白い。
・音楽も良く、途中でエヴァの曲が。え?踊る大捜査線でしょう? 踊る大捜査線はエヴァンゲリオンのオマージュですから。
・「君の名は。」に石段が出てくるところは「転校生」の入れ代り場面へのオマージュ。さらに雪のシーンは元祖「君の名は」のまちこさんへのオマージュです。監督の思い入れ。
・男女体入れ代りは弊害がありますよね?男性は楽しくてしょうがないと思うけど。
・そこで‘禁止事項’がでてくるわけです。(二人だけにわかる禁止事項が笑える。)
・「君の名は。」は二人だけの閉じた世界。まるで「最終兵器彼女」(高橋しん)みたいな世界。
・RADWIMPSの映画主題歌「前前前世」って言っているけど前世が出てこない?
・実は、そのあたりの話は「君の名は。 Anoter・Story」に詳しく出てくるんですよ。
・「君の名は。」は、海外で村上春樹の影響があるって言われた。村上春樹「カンガルー日和」の短編「晴れた日に100%の女の子に出会うこと」という作品が、記憶の片隅ですれ違うお話。まさにこれはすれ違っていたことで終わってしまった。でもこの映画はそうはならない。
・「君の名は。」は後から気づくことがたくさんあるから、それを確認するために何度も観たくなるんですね。
・入口はハードルが低いけど、そのあとはどんどん壮大な話になってゆく・・・・。
・「君の名は。」っていうタイトルの意味は何かあるんですか?
・ある、ある、あるよ!!胸キュンですよ~。最後の最後にわかる。
・また「シン・ゴジラ」に戻りますが・・・・。ネタがいっぱいあります。
・最初のゴジラは戦後9年経過して作られて、戦争の余韻が色濃く残ったシーンが多かった。ゴジラが上陸した悲壮感、またもや原爆の恐怖が・・・みたいな。
・「シン・ゴジラ」の冒頭、ゴジラの正体がわからない時、「旧日本軍の失敗は、過剰な楽観が原因です」というセリフがある。なぜこんなことを言わせたのか?ちゃんと戦争映画だと認識していたからだと思いました。
・監督は主人公に軍艦の名前つけるくらい軍艦マニアですから・・・。
・「シン・ゴジラ」の印象的なシーン、ビルの屋上に足場組んで、ゴジラ総攻撃前に主人公が自衛隊に檄を飛ばすシーン。実は、横須賀にある戦艦三笠の東郷平八郎の像と同じでした。日露戦争で勝った時の旧日本軍が一番強かった頃のオマージュだと思います。
・60年前の映画界で、今年と同じ現象が起きている。最初の「ゴジラ」が大当たりしていたが、その後、岸恵子と佐田啓二主演した‘超’すれ違い恋愛映画「君の名は」が大ヒットして興行的に抜かれた。(へえ~~~そんなことが・・・)凄い偶然!!

映画を観ていなかった方々の感想は「観たくなった!」とのことです。
大変盛り上り、いつまでも話を聞いていたいと思ったくらい楽しい会でした!
次回は12月開催!!

関連記事

ページ上部へ戻る