第5回 アエルバの読書会 レポート

9月21日(金)に今井書店学園通り店の2Fパソコン教室「アエルバ」で、第5回「アエルバの読書会」を行いました。今回のテーマは「あなたの好きな本の一節を読む 夜の朗読会2」です。男性4人、女性6人の合計10人で話しました。

ではでは、トピックです。

前回の朗読会で紹介された「神様のカルテ」に感動した、男性の参加者さん。今回紹介してくれたのは、さだまさし「眉山」(幻冬舎文庫)。徳島で末期がんの母と二人で暮らすヒロイン。ずっと知らされていなかった父の存在。ところが祭りの日、父と思われる男性と遭遇する。父と母がすれ違うその瞬間を朗読されました。まるで映画のワンシーンを観ているような錯覚に陥りました。参加者さん誰もがため息ものでした。

ジャンプコミック「鬼滅の刃」の凄さを語り続けている女性参加者さん。毎回主人公のたんじろうが「鬼」について語るシーンを朗読してくれます。すっかり暗記されていてビックリです。2019年4月からアニメ放送開始。絶対に視ます!
彼女が次におススメするのは、ジャンプコミック「呪術廻戦」。人間の負の感情が集まって呪いとなり怪物化する。その怪物を倒すのが都立呪術高等専門学校の生徒たち。それぞれが信念を持って闘いに挑む。キャラクターたちが魅力的過ぎる。

詩が好きな女性の参加者さんが紹介してくれたのは、山崎放代、「山崎放代歌集」から。
「こんなところに釘が一本打たれいていじればほとりと落ちてしまう」
「こんなにも湯のみ茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり」・・・・。
とてもピュアな感じがたまらなく好きで、心が疲れた時に読んでいるそうです。

イマショの読書会、2回目の参加者さんが紹介してくれたのは、池田清彦さんの「やがて消えゆく我が身なら」(角川文庫)。「働くこと」をテーマにした池田先生のエッセイ。人間って本当は労働が嫌いだ。でも嫌いな労働をしないと生きていけない。心を込めないで働くには?労働に対する考えが少し軽くなった気がします。
あと、森見登美彦「ペンギン・ハイウエイ」(角川文庫)ペンギンが降ってくる!面白いです。今一生「世の中を変える技術 14歳からのソーシャルデザイン」(河出書房新社)
若い人に読んでもらいたい、とのことです。

読書家の女性が紹介してくれたのは、絵本「そうそうのにわ」きないじゅんこ。絵がきれい。新潮社「シッダールタの旅」(ヘルマン・ヘッセ/高橋健二)写真と文で綴る「生と死」。
小学館「求めない」加島祥造。「求めない、すると心が広くなる」「求めない、すると恐怖感が消えてゆく」「求めない、すると人との調和が起こる」「求めない、すると待つことを知るようになる」心が癒される詩集。

前回、夏目漱石「それから」を紹介してくれた男性が今回紹介してくれたのは、芥川龍之介「地獄変・偸盗」の「偸盗(ちょうとう)」。芥川の小説自体はたいしたことはないと思います。でも天才的な表現力で小説が格調高くなっていると思います。膨大な語彙と溢れ出す教養。それを自在に操れることに驚きます、とのこと。
それで、「偸盗」の中のあるシーンを朗読されました。聞いていると、芥川は本当にこんな経験があるのでは?と疑ってしまうくらいリアルに感じました。手に伝わってくる感覚の表現といい、無念の描写まで臨場感にあふれているのです。

宮澤賢治の絵本は、言葉が色で見えるような気がします。「アメニモマケズ」は素晴らしい。宮澤作品をたくさん紹介していただきました。

最後に司会者が紹介したのは、小野不由美「十二国記 月の影 影の海」(新潮社)。
世界観がとてもしっかりしたファンタジー。現代の女子高生が、ある日突然異世界へと飛ばされる。その異世界で次々と襲いかかる苦難にたった一人で立ち向かう。一人の少女の成長が描かれた壮大な異世界ロマン。ただのファンタジーではなく、人を信じる事、友情、苦悩などが描かれていて、何度でも読みたくなる。ちなみに4回くらい読んでいます。

朗読されると、改めて小説の良さが伝わります。読んでみようと思う本がたくさん出てきました。皆さんの朗読を聞くだけで満足されている参加者さんもいらっしゃいました。

次回のアエルバの読書会は11月の予定です。

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