大人気!「後宮の烏」第2弾『後宮の烏2』発売!

シリーズ化を期待していた、白川紺子さんの
『後宮の烏』(集英社オレンジ文庫)。
第2弾が発売されました。

嬉しい~~~~。

後宮の妃でありながら、決して帝とは情を交すことのない
特別な妃・烏妃。

しかし、ある事件がきっかけで、時の皇帝・高峻と
出会い、彼らは「友」となった。
高峻の周りでは、烏妃と会うなど不吉だと言う。
しかし、高峻はなぜか烏妃・寿雪と話をすると
心が癒されるのだった。

第2弾の内容は、少年宦官の幽鬼出現の謎、、
自殺した妃に仕えた宮女の幽鬼の訴え、
烏妃暗殺未遂、妃付宮女惨殺事件など、
烏妃・寿雪がその謎を暴く。

幽霊・ゾンビ・妖怪・謎の仮面など
次々と異形のものが現れる!

不気味で謎めいた事件の数々は、この物語の雰囲気に
ぴたりとあてはまり、他の後宮小説と比較して
異彩を放っている。それがこの作品の際立った魅力で
そこにはまってしまう。

また、烏妃・寿雪を気づかう皇帝・高峻のさりげない
優しさが胸キュンだ。
決して「恋」に発展させてはならない、二人の関係。

烏妃をしばる「烏漣娘娘(にゃんにゃん)」とは
何か?
そして、烏妃暗殺を目論んだ、烏漣娘娘が恐れる
「梟」とは何者か?

数多の謎を残し、物語第3弾に繋がるか!?

『後宮の烏 2』
著者:白川紺子
出版社:集英社(オレンジ文庫)
価格:¥620(税別)

傑作!ホラー短編集『などらきの首』

澤村伊智さんのホラー短編集『などらきの首』
は、霊媒師・比嘉姉妹シリーズ最新作。
「ゴカイノカイ」「学校は死の匂い」「居酒屋脳髄談義」
「悲鳴」「ファインダーの向こうに」「などらきの首」の
6編のホラー短編作品を収録。

どれも面白かったけれど、特に心に残ったのはこの3編。

父親から譲り受けた不動産で、「痛い、痛い」と謎の声
が聞こえる、さらに体に激痛が!その不動産の5階の
怪異現象に、人が居つかず。持ち主はなす術もない。
一体何が起きているのか?「ゴカイノカイ」

居酒屋で男どもが語る、「脳髄論」?
酒を飲みながら、男どもが偉そうに語っている。
いいかげん、うざいな~と思って読んでいたら
ラストで思い切りぶっとんだ!
思わずざま~みろ!でした・・・。「居酒屋脳髄談義」

祖父母の住む地域に伝わる「などらき」という化け物。
子どもの頃に意地悪な従弟に無理やり連れられ、
などらきの首が封印されているという洞窟に行った。
あるはずだった首は忽然と消えていた。高校になって
同級生の野崎と共に「首」消失の謎に挑むが・・・。
野崎初めての事件を描く!化け物の恐ろしさがひしひしと
伝わる・・・。怖かった。「などらきの首」

「学校は死の匂い」は小学校時代の比嘉姉妹が学校で続く
不気味な現象の謎を暴くというもの。
「悲鳴」はホラー映画にまつわる物語。
「ファインダーの向こうに」は心霊写真に絡めたちょっと
切なくなる物語。

どれも、背筋がす~っと冷たくなる感じ。
怖さの表現が上手すぎる!

真琴と野崎の出会い、琴子の学生時代などメインキャラクター
のエピソードが満載の短編集。

『などらきの首』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥640(税別)

仰天展開のホラーミステリー「祟り火の一族」

今年の夏の異常な暑さ!
こんなときはホラーだ!ということで、
おどろおどろしい装丁に惹かれ、
小島正樹さんの「祟り火の一族」(双葉社)
を読んでみました。初読みの作家さんです。

劇団員の明爽子は、身体中に包帯を巻かれた男に、
怪談を語り聞かせるというアルバイトをやっていた。

「殺したはずの女が甦り、のっぺらぼうが林に立つ。」
「河童、魚人、まだらの妖怪!?」・・・
不気味な怪談を聞き苦しげに唸る男。
彼にとってこの怪談には何の意味があるのか?

男とその怪談事態に興味を持った明爽子は、学生時代の
後輩・浜中刑事と名探偵・海老原とともに捜査に乗り出す。

アルバイト先から出てきた若い男性を尾行してゆくと、
ある廃鉱山に辿りつく。そこでは、連続殺人事件が起きて
いたことが判明する・・・。

海老原の推理により、解き明かされる真実。
そこから浮かび上がる「火に祟られた一族」の宿命。
複雑に絡み合った人間関係と、その一族の愛憎劇に
深い因縁を感じる。

横溝正史に似た世界観と、奇想天外なトリックが
読者を翻弄!
真相解明に至るプロセスは、面白すぎて
止まらない。

また、駐在の巡査になりたくて警察官になったのに
運がいいのか悪いのか?なぜか凶悪事件を解決に
導いてしまう心優しき浜中刑事。そして、
頭脳明晰な名探偵・海老原の魅力が光ります!
彼らの語り口が、暗く哀しい物語を柔らかくしている。

シリーズになっているようなので、続けて読んでいきたい!

『祟り火の一族』
著者:小島正樹
出版社:双葉社
価格:単行本¥1,700(税別)
文庫¥722(税別)

新感覚のホラーミステリー「呪いに首はありますか」

岩城裕明さんの「呪いに首はありますか」
(実業之日本社)を読みました。

この表紙、インパクトあり過ぎ!ホラー好きなら
絶対に手に取りそう。

久那納家は「久那納家の長子は、三十歳までに必ず死ぬ」。
という不可解な「呪い」をかけられている。
この呪いを解くには、残留思念体=「幽霊」を
ワクチンとして集めることが唯一の方法だという。

二十八歳になった、久那納恵介は、自称「心霊科医」として
相棒の墓麿とクリニックを営んでいる。
そして、多種多様な「患者」の相談を受け、
呪いが解ける日を目指している。

‘‘幽霊の死体’’に困惑する、男性の依頼を受ける。
幽霊の死体って?すでに死んでいるから幽霊だろう・・・?
その意味するところは何?

誘拐された娘を探してほしいとの依頼を受けた恵介。
それは警察に相談した方が良いのでは?
しかし、返ってきた答に驚愕!
「誘拐された娘は幽霊だ」と、母親は言った。

料理好きの夫と離婚し、別の男性と再婚した女性が
夫の変化について語った話が物凄く不気味。
それを取材したテレビ番組のプロデューサーから
話を聞いた恵介たち。彼女から直接話を聞くことに・・・。

犬のかっこうして歩いている男性の幽霊は
ある少年と目があってしまう。
あの子には見えている?それからその男は
少年のそばを離れなくなった。そんな男の幽霊を
描く少年。不気味に感じた少年の母親は
クリニックに相談にきた・・・・。

とても斬新で、不気味で面白い展開の短編集。
あとからじわじわと怖さが身に沁みてくるよう!

そして、久那納家にかけられた呪いは解けるのか?
幕間に挿入された久那納家の呪いの始まりと
解呪の物語。
ラストに用意されたその方法に、
恐ろしさと切なさで胸が苦しくなる。

『呪いに首はありますか』
著者:岩城裕明
出版社:実業之日本社
価格:¥1500(税別)

「浮雲心霊奇譚」シリーズ第3弾「菩薩の理」。

神永学さんの「浮雲心霊奇譚」シリーズ
第3弾「菩薩の理」を読みました。

今回は浮雲さんと八十八さんとの間に確執が
生れてしまいますが・・・。
浮雲さんの八十八さんに対するイライラ感に
ちょっと共感してしまいました。

幕末の混沌とした江戸で怪異事件が続発する!
そんな事件は、一人の「憑き物落とし」が秘密裏に
闇へと葬っていた。その「憑き物落とし」の名は「浮雲」。
白い着物をさっそう(?)と着こなし、
目に赤い布を巻いている。
絶対におかしなかっこうだと思うが、怖くて誰も
突っ込めないだろうと思う。
実は彼は、「死者の魂」を見据える「赤い瞳」
を持っていた。人間はそちらのほうに恐れを抱くのか?
そして、どこへ行っても、俺流を貫く浮雲は、
死んだ者がこの世に遺した想い・・彼らの声を聞く。
それこそが真実!それこそが事件解決の鍵!

「死人の理」
ある呉服問屋に死んだ娘の幽霊が出没した!
さらに棺桶に入れたはずの櫛が見つかり、
娘の墓を掘り返したところ、亡骸が消えていた!?
相談を受けた八十八は早速、浮雲の棲む神社へと向かうが・・。

「地蔵の理」
首なし地蔵で首なし死体が出たとの通報を受けた
八王子千人同心・林太郎は、そこで不気味な死体を発見する。
そこへ、一人の女が現れた。女は「地蔵様が仇をとってくれた」
と狂喜した。その直後青白い光を見た林太郎は幽霊に憑依された!?
近藤勇からの依頼で現地へ向かう浮雲と八十八だったが・・・。

「菩薩の理」
首なし地蔵の事件のあと、またしても怪事件勃発!
今度は、夜毎、無数に現われる赤子の霊におびえる男の依頼だ。
しかし浮雲は彼の依頼を渋る。その姿を見た八十八は
浮雲に対しとうとう怒り心頭となってしまった!
八十八は、一人男の依頼を受けるが、その恐ろしさに絶句!
結局浮雲に助けられることとなった。
そして憑きもの落としに関わった浮雲は、
その背後に妖しげな人物の邪気を察知する!?

邪悪な心を持つ怪しげな人物が暗躍、そして
第1弾から登場していた謎の男「土方」に加え、
今回は近藤勇、無敵の少年剣士、宗次郎も登場する!
(もしかして沖田総司!?) 

新たな展開に益々面白くなるシリーズ第3弾!

『浮雲心霊奇譚 菩薩の理』
著者:神永学
出版社:集英社
価格:¥1,200(税別)

格調高いファンタジック後宮ホラー「後宮の烏」にはまる!

文庫担当のスタッフが、「めちゃめちゃはまりました!」
と言って紹介してくれたのがこの作品。
『後宮の烏』白川紺子著(集英社オレンジ文庫)

目利きの担当者に薦められたら、読まないわけには
いきません!早速読みました。

後宮ものは結構好きなはまさきです。
読み終わるのがもったいないくらい面白かった!

「十二国記」、「紅霞後宮物語」「八咫烏」シリーズ
を読んでいるならば、絶対にはまる!

時の皇帝・高峻は、ある依頼のために
「烏妃」の許を訪れる。
老婆だと思っていた烏妃は、少女の面影を
残す、美しい女性だった・・・。

政争にからむ殺人事件の謎や、幽鬼と呼ばれる
幽霊も登場する。彼らがなんのために現れるのか?
その声を聴くのは、不思議な能力を持つ「烏妃」だ。
妃と呼ばれながら決して皇帝の妃にはなれない。
女神である烏漣娘娘(ニャンニャン)に仕える
巫女なのだ・・・。

哀しい過去をひきずりながら生きる、皇帝・高峻の秘密。
そして「烏妃」の謎。彼女は一体何者なのか?
さらに、王朝に蠢く数々のミステリーが
二人が出会ったことで、明らかになる。
「禁忌」を破るこの邂逅で一体何が起こる!?

個性際立つ人物描写で、物語に惹きつけられる。
特に、少女でありながらすでに達観している
「烏妃」の魅力が申し分ない。

ミステリー仕立てにホラーとファンタジーを
加えたことで、より物語の面白さが際立っている。

この1冊で終わりにしてしまうのはもったいない!
ぜひシリーズ化してほしい作品。

『後宮の烏』
著者:白川紺子
出版社:集英社(オレンジ文庫)
価格:¥600(税別)

今まで感じたことのない恐怖!「火のないところに煙は」

芦沢央さんの「罪の余白」「悪いものがきませんように」
などを読んで、追いつめられてゆく人間の心理描写が
とても上手い作家さんだと思った。

そして、2016年に新潮社から発売された「許されようとは
思いません」で完全にはまってしまった・・・。
様々な状況に置かれた人間たちの心の動きが
緻密なタッチで描かれ、読んでいると自分自身が
体験しているような錯覚に陥る。
思わず、のめり込んで読んでしまった。

凄い作家さんの登場だと思っていたところに、
今度はホラー小説。しかも最強の恐さで迫ってくる!
「火のないところに煙は」・・・。
怖すぎる!でも面白くて止まらない戦慄のホラーミステリー。

物語は、ミステリー作家の「私」が雑誌編集部から
「神楽坂」を舞台にした怖い話を描いてほしいと依頼
されたことから始まる。
「私」は、以前友人から聞いた奇妙な話を思い出した。
その事件絡みのあるモノがクローゼットに入れたままに
なっている。凄惨な記憶が甦る・・。
これは過去と向き合うことなのか?
その話はちょうど神楽坂で起こった出来事だったので小説に描いた。

小説を発表したあと、怖い話が「私」のもとへ集まってきた。
集まった怖い話は小説として雑誌に発表することに・・・。

この本に描かれた、6編の怪談。
いずれの怪談もひとつの小説として成り立っている。
しかし・・・!?

怪談そのものの恐ろしさと、その怪談はいったい
何が原因で起こったのかという「謎」に迫る過程が
物凄く恐い!二重の恐怖で肌が粟立つ!

想像を絶する展開と尋常でないどんでん返しの
連続に、ここに登場する怪談はフィクションなのか?
それともノンフィクションなのか?頭が混乱し、
完全に騙される!

そして今まで感じたことのない恐怖に襲われてしまった・・・。

『火のないところに煙は』
著者:芦沢央
出版社:新潮社
価格:単行本 ¥1,760(¥1,600+税)
   文庫  ¥649(¥590+税)

心霊探偵八雲のルーツを描く、シリーズ第1弾「浮雲心霊奇譚 赤眼の理」

「浮雲心霊奇譚」シリーズ、2の「妖刀の理」から
先に読んでしまいましたが、
今回、シリーズ1の「赤眼の理」を読みました。

「心霊探偵八雲」が好きで続けて読んでいますが、
「浮雲心霊奇譚」も主人公の「浮雲」に惹かれ
次々と読みたくなってしまいます。

幕末の混沌とした江戸で怪異事件が続発する!
そんな事件は、一人の「憑き物落とし」が秘密裏に闇へと葬っていた。
その「憑き物落とし」の名は「浮雲」。
白い着物をさっそう(?)と着こなし、目に赤い布を巻いている。
おかしなかっこうだと思うが誰も突っ込まない。
実は彼は、「死者の魂」を見据える「赤い瞳」を持っていた。
赤い布を巻くのはそれを隠すためだ・・・。
そして、どこへ行っても、俺流を貫く浮雲は、
この世をさまよう霊たちの声を聞く・・・。
霊たちの声・・・この世に残った想い。
それこそが真実!それこそが事件解決の鍵!

呉服屋の息子・八十八の姉が、何者かに憑りつかれた。
姉を助けるため、八十八は、ある憑き物落としを
訪ねた。落ちぶれた神社の奥にいた男は
白い着物を着崩し、目に赤い布を巻き、
居丈高な態度で八十八の前に立った。
姉を助けてほしいと懇願すると、五十両
もの大金をふっかけられる・・・。
こいつは本当に憑き物落としなのか・・・?
それでも姉のため、八十八はあきらめなかった。

「浮雲」と八十八の出会いは最悪だが、八十八の
姉についていた霊を成仏させ、さらにそれに絡んだ
事件を解決に導いた。
おまけに、父親が八十八に秘密にしていたある事実まで
解いてみせる・・・。
八十八にとっては、衝撃的な事件だったが、
それ以来、浮雲と八十八は腐れ縁で結ばれる。

その後も武家の娘・伊織との出会い、その武家で起こった
奇怪な女の霊の事件、恐ろしい絵師との出会いなど
次々と事件が起こってゆく。

「浮雲」の霊の声を聞きながらその事件の
裏にある真実を暴くという姿勢が心に響く。

「浮雲」の超俺様キャラの裏にある優しさに
事件解決のあとホッとする・・。

ものすごく面白いので、今後もシリーズを
続けて読んでいきます!

『浮雲心霊奇譚 赤眼の理』
著者:神永学
出版社:集英社
価格:単行本¥1,200(税別)
   文庫¥560(税別)

心霊探偵八雲のルーツ「浮雲心霊奇譚」第2弾「妖刀の理」。

「心霊探偵八雲」のルーツを描く怪異謎解き時代劇、
「浮雲心霊奇譚」シリーズ。なぜか第2弾「妖刀の理」
から読んでしまったハマサキ!

でもすごく面白かったです。

ペリー率いる黒船が浦賀沖に到着し、江戸の民の度肝を抜いた
幕末の頃、混乱する世を背景に様々な怪事件が起こる。
そんな中、一人の「憑き物落とし」が秘密裏に闇へと葬っていた。
その「憑き物落とし」名は「浮雲」。
白い着物をさっそうと着こなし目に赤い布を巻いている。
それは「死者の魂」を見据える「赤い瞳」を隠すため。
どこへ行っても、俺流を貫く浮雲は、この世を
さまよう霊たちの声を聞く・・・。
それこそが真実!それこそが事件解決の鍵!

夜道で辻斬り事件に遭遇した武家の娘・伊織は、
異様な殺気を放つ男の幽霊を見てしまう!

祟りがあると噂の幽霊沼。ある目撃者が憑きもの落としを
依頼するが、事態は思わぬ方向へと転がる。

また、ある時、妖刀・村正による惨劇の場に
居合わせた絵師・八十八は事件の背後に、
浮雲の宿敵、呪術師・狩野遊山の影を見る! 

心霊探偵八雲のルーツとなる「浮雲」シリーズ。
第2作目から読んでしまったが、
俺様キャラだが約束はきっちり果たす
憑き物落とし・浮雲と強すぎる正義感とまじめすぎる
性格がちょっぴりやっかいの絵師・八十八の
コンビがたまらないユーモアを醸し出す。

読み始めたら癖になる!
心霊探偵八雲ファンも必読の傑作連作短編集。

『浮雲心霊奇譚 妖刀の理』
著者:神永学
出版社:集英社
価格:単行本¥1,200(税別)
   文庫¥580(税別)

バチカン奇跡調査官最新作!出ました。「ジェボーダンの鐘」

大好きなシリーズ「バチカン奇跡調査官」の最新作を
読みました。

毎回楽しみ!今回の奇跡現象も凄い!

フランスの小さな村の教会で、山の洞穴に
ある聖母像を礼拝している時、舌がなく
長い間鳴らなかった鐘が鳴り、青い鳥の
歌声を聞いた全盲の少女の眼が見えるように
なったという現象が起き、バチカンに奇跡
調査の依頼が届いた。

奇跡調査官であり、古文書解析のエキスパートの
ロベルトは、その頃、出自不明の福音書らしき
ものの調査を行っていた。
そして奇跡調査のパートナー、平賀と共に
送られてきた奇跡現象の動画を視た。
明らかにそこで奇跡が起きている・・・!?
2人は早速現地へ飛んだ!

今回は、村の掟や古くからの言い伝えを
守りながら生活している村人たちが
多数登場する。山に潜む怪しい怪物や
精霊、妖精なども登場し、まるでファンタジーの
世界が広がる。
しかし不気味な謎も用意されミステリー好きを
ワクワクさせる。

さらに、クライマックスに繰り広げられる
ロベルトの「ローマ帝国」「キリストの登場」
「聖書」にまつわる歴史を語るシーンが
とても印象的で非常に興味深い!
そして二人の優しさ、慈悲深さに感動させられる。

著者の博学ぶりがいかんなく発揮された作品。
面白いです!!!!

『バチカン奇跡調査官 ジェボーダンの鐘』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(ホラー文庫)
価格:¥720(税別)