怪しい陰謀が蠢く!バチカン奇跡調査官シリーズ長編版12巻

大人気、大好きな「バチカン奇跡調査官」シリーズの
最新作12巻「バチカン奇跡調査官 楽園の十字架」を
読みました。

今回は、働き過ぎの平賀とロベルトが強制的に
休暇をとらされ、ハイチでの仕事を終え、
偶然に知り合ったアメリカの大富豪・ルッジェリから
豪華客船でのカリブ海クルーズに招かれる。

ロベルトと平賀は、分不相応な豪華客船での休暇に
若干引き気味だが、船のオーナー・ルッジェリの
気さくな対応に、招待を受けることにする。
そして、豪華客船が航海を始めると、船上で
海が割れて巨大な十字架が出現するのを目撃する。
乗客たちは、神の奇跡だと祝福。
ロベルトたちも驚き、奇跡調査を始めることに。

そして、二人が奇跡調査を始めた矢先、甲板で一人の
男性が倒れ亡くなってしまう。
事故か病気か?それとも事件か・・・?

そんなとき、ロベルトに黒人青年が呪われている自分を
助けてほしいと訴えてきた。彼の告解を聞くため夜中に
チャペルを訪れたロベルトだったが、約束の時間になっても
黒人青年が来ることはなかった。

翌日、ヴ―ドゥの儀式を模した黒人青年の惨殺死体が発見される!!
船内には、偶然にもCIAエージェントが乗り込んでおり、
ロベルトと平賀も事件の調査を手伝う事になる!

休暇中にも関わらず、結局、奇跡調査を行うことになってしまった二人。
そしてなぜか奇跡調査には事件がつきまとう・・・。
この奇跡は殺人事件に関連があるのか・・・?
豪華客船を舞台に繰り広げられる、不気味な事件は、
クリスティの「ナイル殺人事件」を彷彿とさせる。

圧巻なのは、船内で催されたマジックショーのシーン。
死人を生き返らせるというマジックは読んでいて息をのんだ。

今回は、巨大な十字架の奇跡、ヴ―ドゥの魔術、マジックショー
バミューダ海域と、謎めいたな展開が次々と描かれてとても面白い!
特にバミューダ海域で起こった事件の羅列は圧巻。
こんなにたくさん事件が起きていたんだと改めて知った。
恐るべし!バミューダ海域。

さらに、クライマックスの衝撃的シーン!
怪しく危険な陰謀が蠢いていたのだ!?
いったいどうなる?平賀とロベルト・・・・!

次は2月下旬に発売‘予定’です。

『バチカン奇跡調査官 楽園の十字架』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(角川ホラー文庫)
価格:¥720(税別)

映画レイダースを彷彿!バチカン奇跡調査官「ソロモンの末裔」

大人気の天才神父コンビシリーズ
「バチカン奇跡調査官」の最新作が
発売されました!
タイトルは「ソロモンの末裔」です。
今回はとんでもなく危険な旅が待ち構えています!
命をかけた神父コンビに感動!

バチカンソロモンの末裔

内戦が続くヨルダンのイルビド教会の難民キャンプに、瀕死の男が担ぎ込まれた!
だが、シェバと名乗ったその男は自分の使命を果たすことなく息を引き取った。
彼の持ち物は旧い羊皮紙の巻物のみだった。
その羊皮紙には古代の文字が書かれているようだ。
イルビド教会の神父はシスターにその巻物をバチカン図書館に送り
解読の依頼を指示した。
一方、バチカンで奇跡調査を担当する、古文書解読のエキスパート
ロベルトのもとに、その羊皮紙の巻物の鑑定依頼が舞い込む。
ロベルトがその巻物を解読すると、シェバの民と神殿創りに関して
書いてあるようだった。
だが、解読の途中、上司に呼ばれたロベルト。
平賀と共にエチオペアの奇跡調査を命じられる。
それははるか昔、ソロモン王とシェバの女王の子どもが持ち帰ったという
「契約の箱」。その上空に巨大な炎の剣と天使の姿が浮かび上がった
という奇跡現象の真偽を確かめる依頼だった。

早速現地に向かう二人。だが「契約の箱」は聖職者の兄弟によって
持ちだされ、行方不明になっていた。
二人はイタリア人探検者・マヌエルからその兄弟の行方を一緒に探してほしい
頼まれ、ともにオベリスク広場に向かう。
しかしその広場で司祭の他殺体を発見し、容疑者として警察につかまってしまう!

そこから彼らは想像を絶する過酷な状況に巻き込まれてしまうのだ!
まるで、映画「レイダース 失われたアーク」のような展開!!!
3人は灼熱の砂漠に放り出され命の危機に!どう立ち向かうのか?

ソロモン王とシェバの女王のロマンスや、古代の王朝の歴史、
宗教対立の詳細な記述が非常にわかりやすく面白い!
こういう歴史好きならば今回の「ソロモンの末裔」は読んで
いて勉強になるだろうと感じた。
手に汗握る展開が文句なく面白い!!

『バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥720(税別)

「怪盗探偵山猫」も真っ青の面白さ!「確率捜査官・御子柴岳人」

神永さんの作品「怪盗探偵山猫」がドラマ化されて大ヒット!
はまさき、「心霊探偵八雲」シリーズが大好きすぎて、
他のシリーズはまだ読んでいない。読もうかなと思っていたら、
ミステリー小説読書会の参加者さんから
「確率捜査官」シリーズをオススメされました。

「確率~」とついているから、きっと難しい数式とか
出てくるのではと思い、数学が超~~苦手なはまさきは敬遠して
いたのですが、そんなこと気にならないくらい面白いと
太鼓判をおされました。

読んでみたら、いや~、ほんとに面白かった!
プラス、八雲ファンにはたまらないおまけつき!でしたよ!

確立捜査官

取調中に起きた暴行事件が原因で、
新米女性刑事・新妻友紀は、警視庁世田町署内に
新設された〈特殊取調対策班〉に異動となった。

〈特殊取調対策班〉とは効率的で正確な取り調べ方法の
検証を行うのが主たる目的だ。
その対策班は、地下1階にあった。まるで倉庫のような乱雑さだ。
友紀がその対策室で出会った男は、御子柴という数学者だった。
なぜ数学者がここにいるのか?といぶかしむ友紀。
そこへ、警視庁きっての落としの名人と言われた権野が顔を出す。
〈特殊取調対策班〉はこの3人が主たるメンバーだ。

御子柴は、警察の常識を叩き込まれた友紀に、「バイアス女」と命名。
さらに、刑事の勘とやらも、すべては確率で実証できると言い切った。
友紀は、そんな御子柴に反論するが、常に「黙れ!バイアス女」と
斬って捨てられる。
御子柴のいう「確率」で取調の効率をあげるということはいかなる事か?

取調の時はサングラスをかけ、チュッパチャップスキャンディを
なめながら友紀の横に貼りつき、容疑者に奇妙なゲームをさせ
この確率は~と言いながら容疑者を不安に陥れる・・・
変人でありながら、イケメンの数学者、御子柴岳人。
友紀はこの変人数学者とペアを組み実際の取調に挑むことに・・・。

読んでみると面白い!それも、眼からウロコの面白さだ。
「確率」って凄い!と思わず言いたくなる。
しかも八雲と晴香もちらっと登場し、思わず「お~」!!
今後の展開が楽しみ!

シリーズ第2弾『確率捜査官御子柴岳人 2』が単行本で発売中!

『確率捜査官御子柴岳人 密室のゲーム』
著者:神永学
出版社:KADOKAWA(角川文庫)
価格:¥600(税別)

衝撃!悪魔憑きの正体!「バチカン奇跡調査官12 悪魔達の宴」

「バチカン奇跡調査官」シリーズ最新刊、「悪魔達の宴」。
‘悪魔が少女に憑依する’というシリーズ中で一番恐怖を覚えた作品。

しかしそれは本当に悪魔の仕業なのか・・・?

バチカン悪魔宴

クリスマスの夜、4人の少女たちは人目を避けて儀式を始めた。
だが、その儀式の途中で一人の少女が恐怖にかられ逃げ出す。

新年を迎えたドイツ、ニュルンベルグ。
その市長が、フラウエン教会のベックマン司祭に
「娘に悪魔が憑いた・・・」と告白した。
ベックマン司祭は、エクソシズムの講義を受けたという
若き神父・トビアスとともに市長の娘・ヘンリエッテを
見舞う。そこで二人が見たものは、おぞましき姿に変貌した
ヘンリエッテだった。
二人は早速、バチカンへ助けを求める。
バチカンは、エクソシストの講義を受けたロベルトと
イタリアに住むベテランエクソシスト、ジャンマルコ・ジャンニー二
の二人をドイツ・ニュルンベルグに派遣した。
その頃、トビアス神父はたった一人で、悪魔に憑依された
ヘンリエッテと戦っていた。
だが、精神的にも肉体的にも疲れ果てていたトビアス神父にも
悪魔の手が伸びようとしていた・・・。

一方、ニュルンベルグ駅に降り立ったロベルトとジャンマルコは、
駅で不気味な魔法陣を眼にする。
この頃、駅では連日決まった時刻に人が死ぬという怪現象が発生していた。
そして、街では至る所で‘悪魔’の目撃情報が報告され、住民たちの
恐怖心は日毎に募っていた。

ロベルトとジャンマルコは、トビアス神父と合流し、3人で
ヘンリエッテの悪魔祓いを始めるが、ベテランのジャンマルコを
もってしても容易に祓うことが出来ず、日に日に憔悴してゆく。

そんな時、平賀の弟・良太は兄からロベルトの悪魔祓いの話を聞き
平賀にロベルトの元へ行くようにアドバイスをする。
良太に何かを感じた平賀は、早速ロベルトの元へ向かった。

そして、ロベルト、ジャンマルコ、平賀の3人は悪魔と対決することになる。

殆どが悪魔祓いの難儀なシーン。読んでいると恐くなる。
本当に少女に悪魔が憑依していると感じる。
今回も、吸血鬼事件の時と同じように、科学で解明することが不可能な
状況になったのでは・・・と思う。
しかし、平賀の冷静かつ冷徹な科学者の眼が真相を暴くのだ!

シリーズ中、一番恐くて、多分一番面白く、印象に残る作品!!

『バチカン奇跡調査官 悪魔達の宴』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA (角川ホラー文庫)
価格:¥680(税別)

有栖川さんの「臨床犯罪学者・火村英生」シリーズが来年ドラマ化です!

先週のエンタメ系のニュースで気になったのは
「臨床犯罪学者・火村英生」シリーズが来年1月からドラマ化決定!
というニュース。

有栖川有栖さんの『臨床犯罪学者・火村英生」シリーズ
は結構色々発売されているけれど、はまさきは
かっこいいイラストの表紙のものを集めています。

火村英生

なので、今回の主人公の配役もイラストがあるから
想像しやすい。

無愛想でクール、ちょっと変わり者の臨床犯罪学者・火村を
ブレイク中の斎藤工さんが演じます。
はまさきの中ではイメージぴったりだと思いますが、まえまえから
ファンの方はどうなのかしら・・・?

そして火村の唯一の理解者、親友で作家の有栖川有栖を
人気急上昇の窪田正孝さんが演じます。
このキャスティングは最高です!!
今からドラマが楽しみでなりません!

犯罪学者・火村が、現場での実験と称して殺人現場に繰り出し、
難解な密室事件、暗号解読など、火村の天才的ひらめきで
事件を解決に導く!
伝説の本格推理小説がドラマで楽しめる、この嬉しさ!

島田荘司さんの「御手洗潔」シリーズも映画化が決まり、
伝説の探偵たちが実写で登場する。
ミステリーファンにはたまらないニュースです。

『臨床犯罪学者・火村英生の推理 Ⅰ 46番目の密室』
著者:有栖川有栖
出版社:KADOKAWA(角川ビーンズ文庫)
価格:¥705(税別)

八雲シリーズ外伝「裁きの塔」晴香がピンチに!

心霊探偵八雲シリーズの外伝「ANOTHER FILES」の新刊「裁きの塔」を
読みました!

もう信じられない展開で、ちょっと悲しくなってしまいました。

八雲裁きの塔

八雲や晴香が通う大学の中心にそびえたつ時計塔。
その最上部の小部屋にある鏡に祈りをささげると
死者と再会できるという伝説があった。
晴香は友人の花苗から心霊現象の相談を持ちかけられ、
八雲にそのことを相談していた。

片や、土方真琴はその大学の学生が小説の新人賞を
とったことで取材に来ていた。
小説は大学の時計塔をテーマにしたものらしく
「時計塔の亡霊」というタイトルだった。
だが、それを描いた大学生は、小説は自分が描いたのではなく
時計塔の幽霊に描かされたと言った。

そんな時、後藤刑事と石井刑事は、ある事件の現場に
来ていた。そこには血だまりのようなものがあり、
悪質ないたずらと思われた。

晴香は、花苗から相談された心霊現象を
調べるために、八雲と時計塔に来ていた。
だが、突然、殺人事件の容疑者として
捕えられてしまう!

晴香の無実を信じる八雲たちだったが、
晴香が自供したと伝えられ、さらに捜査班から動かぬ証拠を
突きつけられてしまう!

晴香の絶体絶命のピンチを八雲たちは救えるのか!?

人は何をもって人を信じることが出来るのか?
無条件に晴香を信じる後藤と石井に八雲が問う。
八雲の心の中では、晴香を信じたいと必死になる自分と
もしかしたら・・・?という疑念が渦巻き葛藤していた。
八雲には珍しく、事件の謎を解くことへの恐ろしさ、
さらに焦燥と言うものが伺えて、後藤は常になく
八雲につらく当たる。
この切な過ぎる展開と、クライマックスに明かされる
事件の真実はありえないくらいに衝撃的だ!!
真に裁かれるのは一体誰なのか!?

怒涛の展開に我を忘れる面白さだ。

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 裁きの塔』
著者:神永学
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥600(税別)

バチカン奇跡調査官「独房の探偵」はローレンの魅力爆発!

バチカン奇跡調査官」シリーズ最新刊「独房の探偵」、
短編集なのですが、非常に面白い作品ばかりで堪能しました。

独房の探偵

第1話「シンフォニア 天使の囁き」
骨肉種に侵された、平賀の弟・良太を描いた短編。
幼くして、小児がんと診断され、ドイツの病院に入院中。
容体が悪化し平賀に連絡が入った!
平賀はドイツに飛ぶ!
ちょっとオタクっぽい兄の平賀。弟はどんなふうに描かれているのかと興味津々で読み始めた。
死の病に侵されているのに、妙に達観している良太。
そして賢く、心優しく、兄に対する愛情は深い。
しかし、良太には誰にも言えない秘密を抱えていた・・・。
その秘密が精神的に心優しい良太を苦しめるのだ。神に愛された少年・良太の苦悩を描く。

第2話「ペテロの椅子、天国の鍵」
神聖であるべきバチカン内に於いて、次々と明るみに出る腐敗・・。
それに苦悩する、ローマ法王。側近のサウロ大司教が、覚悟を持って、
ローマ法王にバチカンの隠された不正を話す。サウロの覚悟に法王はある決心をする。

第3話「魔女のスープ」
ロベルトは、奇跡調査の合間に禁忌文書研究をする。
それは、異端審問、魔女裁判に関するものだった。
当時の被告は、103歳まで生きたとされるベッラ・バッキ。
魔女として審問会にかけられたが、自らは、「不老長寿」のスープを作り、
法王に献上したので、カソリックに背くものではないと主張!
当時のヨーロッパ人の寿命が30代後半~40代前半に対し、
そのスープを飲んでいた法王たちは80歳まで生きた。
ロベルトは、ベッラが調合したスープに興味を持ち、再現することにした。
レシピを見ると怪しげな材料が並んでいる。
ロベルトは、ベッラが晩年過ごしたサンマリノの館に向かう。
そこで小説家のエリーナと出会う。
ロベルトの目的を聞いたエリーナは、小説構想そっちのけでロベルトの実験に協力することに!
彼らがべッラのレシピで再現したスープとは!?
この作品は、いつもとちょっと違う楽しい物語!化学の勉強にもなりますよ~

第4話「独房の探偵」
本筋では行方不明になっている、ローレン・ディルーカの物語。
ローレンの年齢は13歳。まだバチカンの仕事をする前の姿が描かれている。
超!天才のローレンは13歳にして、世界的な大富豪だ。
しかし、ローレンは刑務所の独房生活を楽しんでいる。
ローレンは独房から部下にあらゆる指示を出し、世界を思うままに動かしている。
そんなとき、国家治安警察(カラビニエリ)のアメデオが訪ねてきた。
ローレン曰く、イタリア警察は複雑な事件が解決できない無能の集団。
そんなイタリア警察を幾度となく、ローレンは助けてきた。その時の刑事が
アメデオだ。ローレンのおかげでアメデオはどんどん出世し、今や組織のトップに
君臨している。そんなアメデオが血相を変えてやってきたのだ。
ローレンは楽しそうに「今度はどんな事件だ?」と聞く。
独房内で鮮やかに事件を解決するローレンの推理が見事!!

バチカンワールドを思うさま堪能できる1冊です!

『バチカン奇跡調査官 独房の探偵』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA
価格:¥640(税別)

シリーズ10作目は日本が舞台!『バチカン奇跡調査官 原罪無き使徒達』

バチカン奇跡調査官の第10作目が発売になりました。
タイトルは「原罪無き使徒達」です。
なんと帯の後ろ側にはバチカンシリーズの今後の
刊行予定が記されていて、バチカン奇跡調査官シリーズ
ファンには楽しみが増えますよ!

バチカン10

アメリカ人海洋冒険家が、日本近隣の海で遭難!
その時、奇跡体験をする!
熊本・天草で真夏日に大雪が観測され、天空に
巨大な十字架が浮かび上がった!というのだ!
さらに、海洋冒険家は近くの島に辿りつき、
美しい黒髪の天使に救われたと・・・。

バチカンの奇跡調査を担当する、平賀とロベルトは
その真贋を確かめるために天草に向かった。
平賀にとっては、祖父の故郷。
期待と不安を胸に抱き、平賀は天草に辿りついた。

その地は隠れキリシタンの信仰が色濃く残り、
さらに謎めいた怪異と「さんしゃる二、こんたろす五」
という暗号が伝えられていた。
この文が示す天草四郎の伝説とは?

今回の物語は、隠れキリシタン伝説と日本の妖怪伝説が
非常に上手くからみあい、日本のホラー小説調になっている。
だから、じわじわと背筋が寒くなる怖さ!
さらに、凄惨な殺人事件も起き、謎が謎を呼ぶ展開!
クライマックスは、ロベルトが命の危機にさらされる!
その時、平賀がとった行動に感動!
あの平賀が・・・という感じで胸に沁みる・・・。

「バチカン奇跡調査官」シリーズは巻を重ねるごとに面白さが
増す!
次回「バチカン奇跡調査官11」は6月頃の刊行!
短編集です。こうご期待!

『バチカン奇跡調査官 原罪無き使徒達』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(ホラー文庫)
価格:¥680(税別)

八雲大ピンチ!「心霊探偵八雲」シリーズ最新刊「救いの魂」

心霊探偵八雲シリーズの本編も9巻目に突入。
外伝のシリーズ「Another file」も順調に巻を重ねて
八雲ファンはどっぷり物語に浸っています。

今作、9巻目は後藤さんと八雲が大ピンチに!

八雲9

ある日、八雲は高校時代の同級生の妹の生霊を目撃する。
事件に巻き込まれ、頭に怪我を負い集中治療室に
入っている彼女の思念は「深い森」と訴えた。
同じ頃、遊び半分で青木ケ原の樹海に入り込んだ
大学生が死体を発見!!幽霊から電話がかかってくるようになる。
刑事をやめ、心霊がらみの探偵事務所を
開いた後藤は、その幽霊事件の調査を依頼され、
依頼人のもとへ。そこへ幽霊から電話がかかって
きたのだ。調査のため電話に出た後藤は、
その幽霊に憑依されてしまう!!
警察では、八雲の同級生の妹の傷害事件の
調査をしていた。
八雲の同級生・蒼井秀明は、幽霊が見えるといい
妹を襲った犯人は自殺していると話した。
「未解決事件特別捜査室」の宮川と石井はその話の
真偽を確かめるため、犯人の家に向かう。
そして二人は首をつった死体を発見する。
一方、樹海で発見された死体の身元が判明した。
新興宗教「慈光隆神会」の幹部だった。

八雲は三つの事件に繋がりがあると判断するが・・・・。

複雑に絡みあう三つの事件。
樹海で両目が赤い男の目撃情報も・・・
これは罠なのか?
絶対絶命のピンチに陥る!八雲。

いつも恐ろしい話と平衡して、
いつものメンバーの近況も描かれる。
今作では、晴香に淡い恋心を抱いていた石井だったが、
心境の変化が!真琴との距離が縮まるのか・・・?
そして八雲と晴香の関係の行方は・・・?
皆の関係性が微妙に変化!

八雲ファンお待ちかねの展開になるのか!?

『心霊探偵八雲9 救いの魂』
著者:神永学
出版社:KADOKAWA
価格:¥680(税別)

心霊探偵八雲シリーズ番外編の最新刊「祈り柩」

心霊探偵八雲シリーズの最新刊は「ANOTHER FILES 祈りの柩」。
このANOTHER FILESのシリーズは本編のとは違う味わいがある。

今回は後藤刑事の苦悩が描かれて、違う一面が
見られて嬉しい。

八雲祈りの柩

八雲のもとに、また幽霊騒動の相談が持ち込まれた。
町の外れにある泉で、水面から這い出てきた幽霊に遭遇して以来、
友人の女の子が謎の歌を歌い続けているというのだ。
早速、八雲と晴香はその女の子が入院している病院へ。
そこで八雲は彼女に霊が憑依していると判断するが、
憑依している霊からは何も感じ取ることが出来なかった。

一方、後藤刑事は警察関係者の孫が、悪霊から殺人予告を受けているという
案件を調べる中、ある人物と運命の邂逅を果たす。
その人物とはかつて後藤の相棒だった元刑事・桐野だった。
そしてそれをきっかけに明らかになる封印された後藤の過去。
さらに、教会で起こる密室殺人。
後藤の過去と事件の真相は、人々に何をもたらすのか!?
八雲に持ち込まれた幽霊騒動は、
語られることのなかった後藤刑事の過去へとつながっていく!

この、ANOTHER FILESは番外編のシリーズ。
前作は、石井刑事の物語がメインだった。
今回は後藤刑事の物語。
本編では誰に対しても怒鳴る!八雲にはバカにされる
ダメダメな暴力刑事の印象が強かったが、
この物語では、元相棒だった桐野との再会で
後藤の封印された過去が明らかになる。
そしてそれは後藤にあらゆる感情の変化をもたらすのだ。
その過程が非常に丁寧に描かれていて、後藤刑事ファンには
たまらない1冊と言える。

また、このシリーズでは脇役に徹する、八雲と晴香。
出会って1年くらいの期間が描かれているが、すでに
八雲が勝手に仮住まいにしている映画研究会の部屋で
安心してくつろぐ晴香の姿が微笑ましい。
さらに、いつもだったら霊の訴えを敏感に感じ取る八雲だが、
今回は霊との交流もままならない八雲の姿が描かれて
ストーリーも複雑。そんな謎解きも楽しめる。

八雲と晴香、後藤と石井、いつものシチュエーションも
読めば何となくホッとする!大好きな八雲ファミリーです。

『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 祈りの柩』
著者:神永学
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥640(税別)