暴れん坊「警視総監」が登場!「マル暴総監」

今野敏先生の大人気「マル暴」シリーズ最新作です。
大爆笑!「マル暴総監」。

シリーズに新たなキャラ登場!
さらに、「任侠」シリーズでおなじみの阿岐本組の代貸・日村も
登場し、ファンにはたまらない展開です!!

マル暴総監

北綾瀬署、組対係りの巡査部長・甘糟は、いわゆるマル暴刑事だ。
だが、本人は体が小さく気も小さい、しかも顔は優男風で
とても暴力団相手の刑事など務められるはずはないと思い込んでいる。
だから、毎日毎日嫌々な思いをしながら仕事をしていた。
しかも相棒は、コワモテの先輩刑事・群原だ。
群原は、ヤクザと言っても通る。
半グレやチンピラからは怖れられている。

ある日の寝入りばな、群原の電話でたたき起こされた甘糟は、
チンピラ同士がにらみ合っている現場へ急いだ!
地域課の連中に任せておけばいいのにと思いながら。
だがそう思っていたら、組員かも知れないだろ!と群原に怒られた!

チンピラどもがにらみ合っている現場で、そろそろ決着をつけさせようと
甘糟が割って入ろうとしたら、今時珍しい白いスーツに身を包んだ
なんとも貫禄のある男が割って入ってきた。
甘糟始め、様子を見ていた多嘉原連合の構成員である唐津や、
阿岐本組の代貸・日村も何事かと訝しむ・・・。
しかし、変な風に話がこじれては大変!と甘糟はその男にも
注意を促しその場を凌いだ。

その後、その白いスーツの男は、そういう危ない現場で度々目撃される。
甘糟をはじめとする組織犯罪対策課や、暴力団の組員たちも、
白いスーツの男の素性を調べるが、誰もその正体を掴むことが出来ないでいた。

そんな頃、殺人事件が起こる。
先日、甘糟の目の前でにらみ合いをしていたチンピラが殺されたのだ。
殺されたチンピラと揉めていたのは、多嘉原連合の構成員らしい。
揉め事がエスカレートしての殺人なのか・・・?
甘糟は、群原に言われ一人、マル暴の事務所へと向かった。

その事件は特捜本部が出来ることになり、管理官、北綾瀬署署長、
警視庁捜査一課課長等お偉方が並ぶ中、なんと!警視総監も臨席したのだ!
捜査員たちは一体何が起こったのかと、緊張のあまり声も出ない!
だが甘糟はその警視総監の顔を見た時に、あまりの衝撃にその場に
倒れそうになる!!!!

もうおわかりですよね!白いスーツの貫禄のある男が誰なのか・・?
そうなのです!!!それは〇〇。
そして甘糟はその男の動きに大弱り・・・
何で「正義」を掲げて危ない現場にいくかなあ~。

このありえない展開がめちゃめちゃ面白くて面白くて!
さらに特捜本部は、容疑者は白いスーツの男だ!追え!なんて
全く筋の違う方向へ持って行こうとする。
そこへ、群原がかっこよく「白いスーツの男は容疑者とは違う」
と言ったものだから益々反感を買われ・・・?

一体どうなるこの事件。
収拾はつくのか・・・・!
前代未聞のラストに大爆笑~~~~。
またもや、今野先生がやってくれましたよ。
面白すぎる~。

『マル暴総監』
著者:今野敏
出版社:実業之日本社
価格:¥1,600(税別)

ハマの用心棒・諸橋刑事が帰ってきた!「臥龍」

今野敏先生の「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズの
第4弾「臥龍」を読みました。

このシリーズは、横浜みなとみらい署暴対係の活躍を描いた警察小説です。
「ハマの用心棒」こと諸橋係長と係長補佐の陽気な刑事・城島が
コンビを組んで、暴力団絡みの事件を追います。

「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズは、第1弾「逆風の街」
第2弾「禁断」3弾が「防波堤」いずれも文庫で発売されています。
ファンとしては嬉しい限り!

臥龍

師走の頃、諸橋と城島は仕事帰りに飲み屋に立ち寄って
一杯やろうと思っていたら、外でチンピラたちの喧嘩が
はじまった。
止めに入ったが大喧嘩になり全員検挙した。
この事件に嫌な予感を持った諸橋たちは、
横浜でひっそりと暮らす、昔気質のヤクザで二人の
情報屋でもある、神野のところへ向かう。
神野は関西系に関係するかもと匂わせるが、
肝心なことは隠しているようだった。
神野をたずねた翌日、関西の暴力団、羽田野組長、
羽田野繁が殺害されたとの連絡が入った。
神野の予感は的中。横浜に関西の暴力団が
やってくれば、大変なことになる!
諸橋はこの事件がどういうカラクリなのか
考えるが、どうにもつかめない。
その隙に、捜査一課は神野をマークし始めた。
捜査一課の方針にまったく納得できない諸橋たちは
独自に捜査を始める・・・・。

諸橋を良く思わない、監察官の笹本、さらに捜査一課の
連中たちとの軋轢を生みながら、必死で神野をかばう
諸橋たち。
事件の真相は?神野はどうなるのか?

信頼しあう男たちの絆、さらに意外な人物からの援護。
くじけそうになる諸橋たちを部下たちが励ます。
さらに、いつもはジョーク好きの陽気な城島がいつになく熱い!!
今野節炸裂!です!

『臥龍 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店
価格:¥1,600(税別)

今人気の警察小説作家勢揃いの警察アンソロジー「タッグ私の相棒」

警察小説ファンにはたまらない!アンソロジー集が出ました!
しかも「私の相棒」。
タッグを組む相棒についての描かれた警察短編集です!

相棒

第1話「光陰」今野敏
若い時、安積はある事件で初めて須田と一緒に仕事をすることなった。
須田を見たとき、安積は、鈍そうな奴!と思った。
ところが、須田は事件に対しては独特の勘を持つ。
それに気づいた安積は・・・・。
若き日のいけいけの安積刑事が須田との触れ合いによって
思慮深い刑事に変ってゆくところが面白い!!

第2話「張り込み」西村健
荒川署のミステリーオタクと食道楽の二人の刑事は全く
相性が合わない。二人でいつ果てるともない張り込みを
続けるが・・・・。その張り込みがとんでもない展開に!!
かなり笑える!

第3話「真夜中の相棒」柴田よしき
「RIKO」シリーズに登場した私立探偵・麻生。
彼の警視庁時代を描く!
何を考えているのかわからないと言われる麻生。
狭いアパートで胸を一突きで殺害された事件。
顔見知りの犯行と思われたが、麻生は一つ
気になることがあった・・・・。それは猫・・・?
思慮深い麻生刑事が魅力的!

第4話「舞台裏」池田久輝
第5回角川春樹小説賞受賞の著者が初めて挑んだ警察小説。
生活安全部指導班・佐原が昔の演劇仲間と事件に迫る!

第5話「後席の男」押井守
警視庁特車2課の俺と兼子がレイバー席に乗り込む!
兼子の生活音に辟易しながら俺はレイバーを・・・
ところが、事件も解決した頃、SATの上級者が
レイバーにいちゃもんをつけた。切れそうになる二人。
だがそこに現れたのは!?
「機動警察パトレイバー」のスピンオフ作品です!
ひゃ~!!

第6話「弧月殺人事件」柴田哲孝
玉川署の新米刑事・有田はある骨董屋殺人事件の現場にいた。
骨董にくわしい祖父から知識を叩き込まれた有田はこの事件は
一筋縄ではいかないと思った。案の定、上司が有田の祖父に
助けを求めてきた・・・。祖父とコンビを組んで事件を探る
骨董ミステリー。
骨董の知識が半端ないです!

第7話「再会」逢坂剛
「御茶ノ水署」シリーズの迷コンビ、斎木と梢田は小学校の同窓会
の幹事をやることに・・・。犬猿の仲の二人・・・。同窓会で
いったい何が起こるのか!?
このコンビ、あほやないかい!?といつも突っ込みたくなる。

警察小説好きの方々、ご堪能ください!

『タッグ 私の相棒 警察アンソロジー』
著者:今野敏/西村健/柴田よしき/池田久輝/押井守/柴田哲孝/逢坂剛
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600(税別)

安積班シリーズ最新刊「潮流」が物凄く面白い!

今野敏先生の大人気シリーズ「東京湾臨海署安積班」の最新作が発売されました。
タイトルは「潮流」です。
安積班シリーズとしては、第15作目で、今回は長編です。

「潮流」は、警察ミステリー作品としても、警察組織内を描く人間ドラマとしても
これまでにないほど面白く、シリーズ中最高傑作ではないかと思いました。

潮流

珍しく、何事も起こらない朝だった。
安積班がのんびりと仕事に向かおうとした矢先、
東京湾臨海署管内で立て続けに救急車の要請が入った。
残暑が厳しい8月下旬、誰もが熱中症ではないかと
疑ったが、搬送された3人が同じような症状で死亡してしまう。
解剖の結果、「リシン」という毒物が検出される。
そして、被害者の身体からリシンを仕込まれた金属球が発見された。
捜査一課との合同の捜査本部が出来、安積班も捜査に参加。
そんな中、臨海署へ犯人と思われるものからメールが届いた。
安積は、このリシン事件は過去に安積班が扱った事件が原因ではないかと疑う。
そこで、安積は、過去の事件を洗い出す。そして4年半前の事件に着目する。
それは、ジャーナリストが起こした傷害致死事件だった。
裁判で判決が出た後も収監中もその被疑者は一貫して無実を訴えていた。
もしや「冤罪」だったのか?
安積はこの事件を再捜査することを決心する。

リシン事件の犯人を追う展開と、かたや傷害致死事件の真相を
再捜査する展開。2重の展開がこの作品のミステリー的な面白さを際立たせている。

さらに、過去の事件を掘り返し冤罪の有無を暴こうとする安積班の
動きを徹底的に封じ込めようとする警察組織。
安積をとりまく刑事たちの思惑、警察内部の人間ドラマも緻密に描かれていて、
今までにない面白さを感じた!

安積の警察官としてのぶれない姿勢。
「警察だからこそ、間違いは正さなければならない」と訴える。
この言葉に深く深く感動!

安積班の絆の深さと安積係長の人間としての器の大きさに
またもや感動しました。
本当に面白かったです!

『潮流 東京湾臨海署安積班』
著者:今野敏
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600(税別)

渋谷署強行犯係シリーズ復活!「虎の尾」

今野敏先生の人気シリーズ「渋谷署強行犯係」復活しました!
このシリーズもはまさきは大好きです。

主人公は整体師の竜門さんですが、
はまさきはなぜか渋谷署強行犯係の辰巳刑事に
惹かれます。

事件が起きると、腰痛の治療と称して
整体師・竜門さんのところへやってきて
ぶっきらぼうに事件の概要を話す。
その話し方がいかにも雑談風だけれど、
暗に竜門さんの協力を煽ぐ。
このぶっきらぼうさと、否を言わせぬ
内に秘めた捜査への執念が伺えて好きなのです。
このシリーズでは、辰巳刑事のプライベートな部分など
いっさい描かれないので、ちょこっと知りたいなと
思う時があるのです。
竜門さんも辰巳刑事のやり方にうんざりしている
はずなのに、結局事件に関わることになってしまう。
このコンビいいなあと思います。

さて、久しぶりの事件は?

虎の尾

渋谷・宮下公園で、連続して傷害事件が起こった。
整体師の竜門はニュースでそれを知った。
そんな時、ふらっと渋谷署強行犯係・辰巳刑事が
竜門の整体院にやってきた。
事件が起きるとやってくるくせに、
口癖は「また腰痛が出ちまって!」だ。
竜門も「定期的に施術をやらないと腰痛は治らないですよ」と言う。
これは二人の合言葉のようなものだ。
辰巳は早速竜門に事件の話をする。
傷害事件の被害者は、浮浪者風の男に一瞬で関節をはずされ
身体には特徴的な痣が残っていた。
空手の使い手ではないかということで、竜門に話を聞きにきたのだ。
「傷を見て、どんな技でやられたのかわかるのか?」と
問われたが、それだけでは、竜門にも見当がつかなかった。

さらに、竜門の師匠・大城が沖縄から突然状況してきた。
大城もまた、この事件に興味を持ったらしい。
だが、事件に興味があるというだけで、80歳にも
なる大城がわざわざ沖縄から上京してくるのか?
竜門は大城は何か気掛かりがことがあって上京してきたのでは
ないかと考えた。

傷害事件の犯人を探るため、辰巳・竜門・大城の3人は
夜の渋谷へ繰り出した・・・。

久々の辰巳&竜門コンビ。
相変わらずの掛合いが嬉しい。
そして今回は、竜門の師匠の大城先生が
とても魅力的。
可愛い弟子の心配をする優しき師匠!

そして一番の読みどころはやはりアクションシーン!
空手の対決シーンは圧倒的な迫力で実にリアル。
空を切る音が聞こえてきそうなほど。

読み応え十分の警察アクション小説です。

『虎の尾 渋谷署強行犯係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店
価格:¥1,600(税別)

STシリーズ最新刊!「プロフェッション」

今野敏先生の大人気警察小説「ST 警視庁科学特捜班」シリーズの最新刊が
発売されました!新作は4年ぶり、しかも単行本!渋い装丁がかっこいいです。

テレビドラマと映画化でかなり認知され、ドラマの話も面白く
映画にまでなってファンとしては、嬉しい限りです。

プロフェッション

「おい、警部殿。STの出番だぞ」と菊川警部補に呼ばれた、STチームの責任者・百合根友久。
若くてちょっと気の弱い百合根は、キャリアで警部だ。だから時々、
警視庁捜査一課の強面刑事でSTとの連絡係、菊川に皮肉られる。
百合根は警視庁きっての特能集団・「ST」を束ねている。
5人のSTメンバーは頭脳もずば抜けて良いが、人間とは思えない
特殊な能力も備えているのだ。だが、皆、ちょっと自分勝手な性格
で、百合根はいつも手を焼いている。

今回、STに声がかかった事件は、3件立て続けに発生した誘拐事件で
解放された被害者たちが、皆「呪い」をかけられたと訴えたからだ。
彼らはいつも常識では解決できない事件を押し付けられるのだ。

早速、事件の被害者に会いに行くと、被害者二人は頭痛がひどく入院。
手足の痺れまで訴えているらしい。
三人目の被害者からは証言がとれた。
いきなり誘拐、拉致され、口の中に無理やりぬるりとしたものを
入れられたという。
被害者たちは皆、同じ大学の研究室の学生だった。
さらに、その研究室の教授は半年前に行方不明になっていた。

やがて、頭痛を訴えていた被害者の一人が死亡。
STのメンバーで法医学者の赤城は、いきなり解剖すると
言いだす。

その研究室に学んでいた学生達の証言は、超人的に発達した聴覚を持つ、結城翠と
犬並みの嗅覚を持つ黒崎勇治の人間嘘発見器コンビによって、明らかにされてゆく。
さらに、心理学専門のプロファイラー、絶世の美青年・青山翔のプロファイリングで
事件の真相に近づいてゆく。

彼らの得意とする能力で、次々に明らかになる事件の真相!
不気味な事件の行方は!?

いつものキャラクター達の変人ぶりが楽しめて、謎解きも面白い!
ファン待望の1冊です!

『プロフェッション』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥1550(税別)

鬼龍光一シリーズ復活!「豹変」

今野敏先生の伝奇小説と警察ミステリーを融合させた
エンターティメント作品、鬼龍光一シリーズが新作で登場した。
タイトルは「豹変」。

はまさきの大好きなシリーズ。
待ちにまった新作!嬉しい!(嬉し過ぎて跳びはねちゃった。)
今野敏ファンも嬉しい!

豹変

都内の中学校で、同級生をナイフで刺すという事件が起こった。
加害者の佐田は、所轄署で取り調べ中、老人のような語り口調で
「邪魔をしたから懲らしめてやった」と語った。
そして、警察官を簡単にふりきり逃走した。
警視庁生活安全部少年課の富野は、被害者の石村を訪ねた。
驚いたことに、石村は佐田の狐憑きを除霊しようとして
刺されたと語った。
不可思議な事件が発生する場所には必ず現れる、祓い師・鬼龍光一。
今回の事件にも、早速首を突っ込んできた。
富野と鬼龍は逃走した佐田の除霊に向かった。
だが次に豹変したのはなんと石村の方だった!?
中学生の間で次々に発生する類似の事件。
富野が捜査するうちに共通点が浮かび上がってくる・・・
本当に狐憑きなのか?それとも・・?

いつもは鬼龍光一が主人公で、富野は脇役として
登場するが、今回は富野が事件を捜査する。
あくまでも鬼龍はオブザーバーだ。

少年たちに次々に起こる狐憑き。
警察官もこの不思議な現象に頭を悩ませる。
結局、富野は何が起こっているのか?
相棒や所轄署の警官に説明するが誰も信じない。

だが現象として起こっている。その事実がある。
だがそれは霊現象なのかどうかはわからない・・・。

そのせめぎあいを必至で説明する富野。
鬼龍や所轄署の刑事たちとの禅問答のような
会話がすごく興味深い!
そして面白い!

今回、富野のバディ・有沢がとても良い!
久しぶりの鬼龍光一!面白かったです!

オズヌも出してほしいです!!
オズヌ復活に期待大!!!

『豹変』
著者:今野敏
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,600(税別)

あのコンビ復活?!警視庁捜査一課・碓氷弘一最新刊「マインド」

今野敏先生の人気警察小説シリーズ、「警視庁捜査一課・碓氷弘一」
シリーズ最新刊が出ました!
タイトルは「マインド」。

碓氷刑事は、いつも変った経歴のエキスパート
とコンビを組む。
警察官以外では、これまで、自衛隊の爆弾エキスパート、
外国人スパイとパソコンマニア、外国人考古学者など
ほんとに一風変わっている。

警察官では、少年課の巡査部長とコンビを組んだ事も。
しかし、碓氷が一番ドギマギしたのは、美人心理調査官と
捜査した時だ。その二人が活躍する「エチュード」では
碓氷刑事が、まだまだ駆け出しの心理調査官・藤森紗英を
サポートしながら事件を解決に導く。

今回の「マインド」ではその藤森紗英が再登場する!

ゴールデンウイーク明けの朝、警視庁捜査一課・碓氷刑事の元に
都内で起きた二件の自殺と、二件の殺人の報が入った。
その発生時刻は、同じ日の午後十一時。
偶然とは言えないその四件の事案に疑惑を持ったのは、
碓氷刑事と捜査一課課長・田端守雄だった。
田端課長の特命を受け、碓氷たちは捜査を開始した。
その後、同日、同時刻に都内で盗撮、強姦未遂事件が起こっていたことが判明する。
それぞれの事件の容疑者を引っ張り、取り調べると誰もが妙な事を言った。
「よく覚えていない」と・・・
一見、全く関連性の無い事件と思われたが、共通点が出てきたのだ!
同日、同時刻に事件が起こったことに不審を抱いたのは特命班だけでは
なかった!
警察庁の心理調査官・藤森紗英も不審を抱き、特命班に参加したいと申し出た。
碓氷と藤森は再びコンビを組み、この妙な事件の捜査を始める。

今回の藤森心理調査官は、「エチュード」の時より成長し、
自身を持って捜査に臨んでいる。
「エチュード」の時とは反対に、碓氷が藤森を頼っているのだ。
成長し、自分の仕事にプライドを持って臨む藤森に会えたのは
ファンとしてはとても嬉しい!!

信頼しあいながら捜査を進める二人だったが、事件はさらに
不可解な様相に・・・・!!
心理学者同志の対決が読みどころで、その言葉の応酬は凄い迫力!

今回も凄く面白かった!

『マインド』
著者:今野敏
出版社:中央公論新社
価格:¥1,600(税別)

今野敏、初めて読むならこれ!!『蓬莱』

今野敏先生の「蓬莱」はめちゃめちゃ面白い警察小説です。

ハルキ文庫から発売されている「安積班」シリーズの
番外編ととらえて良いのかな?

神南署時代の安積班が殺人事件を捜査する警察ミステリー。
この作品はいつもの「安積班」よりミステリー性が高く、
警察小説としても、ミステリー小説としても楽しめる作品。

蓬莱

制作スタッフすらその攻略にはまってしまうゲームソフト「蓬莱」。
パソコン用に開発した途端大ブレイク、さらにスーパーファミコン版を
開発し販売しようとしたところ、そのゲーム会社の社長・渡瀬は何者かに
襲われ、ファミコン用に開発したゲームソフト「蓬莱」の販売を
中止しろと恫喝された。
早速、警察に連絡。神南署の安積刑事が事情を聴きにやってきた。
渡瀬は事情を話すが、安積刑事の「調べて見ます」という
通り一遍の言葉に少々落胆。
だが、なじみの弁護士にそのことを話すと、弁護士は安積についてこういった。
「安積刑事がやると言ったら必ずやってくれるよ!」と・・・。
ゲームソフト「蓬莱」の販売が近づいたころ、ソフトの開発者が殺害された!

「蓬莱」。そのゲームソフトには「日本」が封印されている!?
古代の日本を想定した土地で国造りのゲームをするという構成の
裏に何が隠されているのか?
いったい誰が、なぜその販売を阻止しようとするのか?
安積警部補以下、安積班の面々が徐々に真相を明らかにしてゆくのだ。

秦の時代の徐福伝説や、古代日本論、果ては日本人論まで繰り出す!
今野先生の博識ぶりが凄いです。

バーチャルゲームと伝奇世界がリアルな警察小説と見事に融合!

約20年前に描かれたとは思えない面白さ!こんなに面白い警察小説は読んだ事が無い!?
今野敏、初めて読むならこれ!と言っても過言ではありません!
はまさき、超押しの一冊です。

『蓬莱』
著者:今野敏
出版社:講談社(文庫)
価格:¥700(税別)

今野敏さんの人気伝奇小説『鬼龍』が新版で発売!

中公文庫で発売中の『鬼龍』が3月に角川文庫でも
発売されました。

『祓い師・鬼龍光一』の原形となった主人公・鬼龍浩一が
活躍する伝奇ミステリー。

鬼龍

高円寺のアパートでつましく暮らす青年・鬼龍浩一。
奈良に本宮をいただく鬼道衆の末裔として、
秘密裏に依頼された「亡者祓い」を請け負っている。
「亡者」とは、人間の嫉妬・憎しみ・恐れなどありとあらゆる欲望や恐怖
といった陰の気が凝り固まったものだ。
その陰の気を祓うことが、鬼道衆・鬼龍浩一の真の仕事だ。

今回依頼されたテレビ局のお祓いも単純な仕事、
数ある依頼のひとつのはずだった。
ある女性タレントにとりついている亡者を祓った。
だが、それでは終わらなかった。テレビ局の一室が
結界となっており、そこが亡者の妄想の世界になっていたのだ。
鬼龍は一室にこもっていた陰の気を祓い無事仕事を終えた。

さらに、依頼は続いた。
今度は、日本橋の食品会社で起きた
異変の解決を頼まれたのだ。
鬼龍は、出向社員になり会社に潜入する。
なんと、その会社には女子社員を中心に想像を絶する
陰の気が渦巻いていたのだ!
ここから、鬼龍と最強の亡者との命を懸けた闘いが始まるのだ!

今野先生は、警察小説、アクション小説、ミステリー小説
など幅広いジャンルの作品が描いておられますが、
この、伝奇小説のジャンルは他のシリーズとひと味違った作風で
かなり面白いです。
「わが名はオズヌ」という伝奇小説があります。
修験道の祖・役小角(エンノオズヌ)が気弱な
男子高校生に憑依して悪を斬る!という痛快伝奇アクション。
はまさきはこの作品が大好きなんです!
この「祓い師」は、特に人間の欲望について描いていて、
他の作品とは一線を画しています。
珍しく、エロティックなシーンが多いですが、まったく
いやらしさを感じさせない描き方が凄いです。

古代史×アクション×美女!が楽しめる!
傑作の伝奇エンターテインメント小説。

『鬼龍』
著者:今野敏
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥560(税別)