今日も「ミステリー好き太鼓判 サスペンス小説ベストセレクション」からおススメを1冊。
おススメは、講談社文庫『そして扉が閉ざされた』岡嶋二人 です。
実は20年以上前、まだ文庫化されないときに単行本で読みました。
その時期はミステリー小説というものにはあまり興味がなかったのですが、そのタイトルに惹かれ手に取りました。ものすごく面白く、こんな世界もあるんだ・・・と強く印象に残った作品。
その後、ミステリー小説をたくさん読みました。時々同僚から、ミステリー小説でおススメは?と聞かれることがあります。そんなときは一番最初にこの作品のイメージが浮かびます。
ストーリーは、ある財閥の令嬢が、友人たち4人を誘い別荘で過ごすことになります。
その令嬢はお嬢様特有のわがままな性格。自分が一番でないと気がすまない。だから友人たちも仲良くしてはいますが、心の中ではあまり良く思っていない。お金持ちだから彼女を誘うといいことあるかも・・・くらいの気持ち。
ところが、その令嬢は別荘で過ごしているとき事故死する。事故の直前まで一緒だった4人の友人たちは、娘の死を不審に思った遺族の手でシェルターに閉じ込められてしまいます。
そして、娘を殺したのはおまえたちだと、トイレにメッセージが・・・・。
4人の友人たちは死に物狂いで脱出を試みますが・・・・。閉じ込められたシェルターの中で4人は自分の無実を訴え、さらに疑心暗鬼に。いったい何が起こったのか?令嬢はなぜ死んだのか?極限状態の中で彼らは必死に記憶をたどり、徐々に真実に近づいて行く。
極限状況の密室で謎を解明する、異色すぎる推理サスペンス。20年以上たった今でも鮮明に覚えている、めちゃめちゃ面白い作品です。
『そして扉が閉ざされた』
著者: 岡嶋二人
出版社: 講談社
価格: ¥571(税別)