待望の最新刊!『バチカン奇跡調査官 ラプラスの悪魔』

待ちに待った、「バチカン奇跡調査官」シリーズ最新刊!第6巻は『ラプラスの悪魔』。今回も怖そうですね~。
さて!平賀とロベルト、今回の事件も不気味で複雑怪奇。幽霊屋敷に潜入します!?

アメリカ次期大統領候補の若き議員が、教会でまばゆい光に包まれた後、謎の死を遂げた。
町では議員には悪霊がとりついていたとの話があり、事態を重く見た政府はバチカンに調査を依頼。
平賀とロベルトは、以前の奇跡調査の時に一緒に捜査をした、FBI捜査官のビル・サスキンスとともに議員が訪れていた、悪霊を閉じ込めているという噂のゴーストハウスに潜入する。
そこでは政財界の要人しか参加できない秘密の降霊会が開かれていた。
そして、議員の死の原因が判明する。なんと議員は心臓が爆発して死んだというのだ・・・・。
平賀とロベルト、そしてFBI捜査官・ビルは、ゴーストハウスに秘められた謎と、議員の過去を調べ始める・・・。やがて驚愕の事実が!

不気味なゴーストハウス、議員の不可解な死、教会での謎の光・・・・。
あらゆることが心霊現象に見えるのに・・・。
しかし、平賀とロベルトは次々に謎を解明していく!!

今回は平賀の科学の知識がこれでもかと披露されています!
巻を重ねるごとに面白さが増す!「バチカン奇跡調査官」シリーズ。
本作品もとにかく面白い!
ドキドキわくわく、さらに背筋がひんやり!?この面白さ、思う存分堪能してください!

『バチカン奇跡調査官 ラプラスの悪魔』
著者: 藤木稟
出版社:角川書店
価格:¥705(税別)

事故か?人災か?モラル無き人間の行動を描く!『乱反射』

第63回日本推理作家協会賞を受賞した、貫井徳郎氏のサスペンス大作『乱反射』(朝日文庫)。この本ほど、読み終わった後に自分の行動をじっくり振り返りたくなった本はありません。モラル無き現代日本の病巣を抉った、社会派サスペンス。

不慮の事故により、幼い子供が亡くなった。子供を失った父親の慟哭。
わが子はなぜ死なねばならなかったのか!?真相を追ううちにやがてわかってきたことは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。
決して法では裁けない「殺人」・・・。
この小説に登場する小さな罪を重ねる人々は、普通の人たちだ。
自分たちが犯している、小さなルール違反・・・。確かに自分が生活する範囲内では多少迷惑をかけるかもしれない・・・しかし‘多少’だ。
そういう気持ちは誰にでもあるもの。それが大それた事故につながるなど誰に想像できるだろうか・・・。
しかしその気持ちこそが恐ろしい凶器となることがある・・・。そういう事実をこれでもかと突きつけられた!
ルール違反をしている人たちの描写が長い!という人もいるが、ここまで描かなければ説得力に欠けるのではないか、私はそう思う。
自分たちの日常は決して自分一人のものではない。自分の行動は必ず誰かにつながっているということを思い知らされた1冊。ここまで描ける貫井さんが凄い!

『乱反射』
著者: 貫井徳郎
出版社:朝日新聞出版社
価格:¥820(税別)