木曜劇場「東野圭吾ミステリーズ」原作はこれだ!

7月5日22時より放送開始の木曜劇場「東野圭吾ミステリーズ」。(フジテレビ系)
毎週、週替りで‘主演’も‘ストーリー’も楽しめるドラマ、東野作品をドラマで十分堪能できます!
毎回の主演も豪華で、今が旬の俳優さん、女優さんが主演をつとめられます。
原作となる東野圭吾さんの作品は、「犯人のいない殺人の夜」、「怪しいひとびと」「あの頃の誰か」。いずれも傑作ばかりが収録されている短編集です。(三点とも光文社文庫)

初回の今夜のドラマは「さよならコーチ」。主演は唐沢寿明さん。
原作は『犯人のいない殺人の夜』に収録されている『さよならコーチ』です。
アーチェリー部の石上コーチ(唐沢さん)は、部室で直美(田中麗奈)の死体を発見!オリンピック選考に落ちたショックで自殺したと思われる。
しかし鈴木警部(西岡徳馬さん)は直美の自殺に不審を抱く・・・。という物語。

現在の東野圭吾作品の原点ともいえる作品が次々ドラマ化される。東野ファンはもちろん、まだ東野作品を読んだことない人にも楽しめる、原作及びドラマと言えるかも!

さて、次週第2話のドラマは「犯人のいない殺人の夜」。主演は坂口憲二さん。原作は『犯人のいない殺人の夜』に収録されている表題作です。

『犯人のいない殺人の夜』
著者: 東野圭吾
出版社:光文社
価格:¥552(税別)

女性刑事が主人公の警察小説集めました!学園通り店でフェア展開中。

学園通り店で本日よりフェアを開催しました!「特集!今をときめくかっこいい女性刑事が活躍する警察小説セレクション」です!
はまさき一番のおすすめは、新潮社『凍える牙』乃南アサ!女刑事音道貴子シリーズ第一弾で、直木賞受賞作です。
乃南アサ「女刑事・音道貴子シリーズ」と誉田哲也「ジウ1~3」

他に先日ドラマ化され、放送予定でしたが、事情により放送延期になった、『女性秘匿捜査官・原麻希』シリーズの『アゲハ』&『スワン』吉川英梨(宝島社)。このブログでも紹介しています。
モンスター級の殺人鬼と対決する若き女性心理分析官を描いた、『警視庁心理捜査官 上下』黒崎視音(徳間書店)シリーズ。

このブログでも紹介しました、『組織犯罪対策課・八神瑛子』シリーズの『アウトバーン』&『アウトクラッシュ』深町秋生(幻冬舎)

さらに、2005年に仲間由紀恵主演でドラマ化された、『顔』横山秀夫(徳間書店)、発売当時話題になった『Riko 女神の永遠』柴田よしき。
以上の作品を集めてました。かっこいい女性刑事が登場する、傑作ぞろいの警察小説ばかりです。

女性刑事小説の元祖!乃南アサさん『凍える牙』

第115回直木賞受賞作です。女刑事・音道貴子初登場作品。この作品で音道貴子が大変人気となり、短編、長編でシリーズ化されました。シリーズ中最高傑作!

いきなり!冒頭からすごいシーン!深夜のファミレスで、突如男の体が炎上したのだ!男には獣による咬み跡も残っていた・・・。
その事件で、特別捜査本部が設置された。
警視庁刑事部第三機動捜査隊立川分駐所に所属する、刑事・音道貴子はその捜査本部で、滝沢という、いかにもたたき上げの刑事!という感じの中年刑事とコンビを組むことになった。
不機嫌・・・。女の刑事とコンビを組むことが耐えられない!そんな表情。音道はいつものことだとあきらめた。
音道と滝沢は、焼死した男の身元を調査している過程で新たな事件に遭遇。獣に咬まれたらしい遺体が発見される。
やがて同じ獣による咬殺事件が続発する!何がこのむごたらしい事件を起こしているのか!?音道と滝沢は、じわじわと事件の真相に近づいていく・・・・。

今では女性刑事も警察では重要なポストにいることも多いと思う。
1996年に発売されたこの作品では、女性刑事はまだまだ一人前の刑事として扱われていない様子がとても現実的。
しかも厳しい仕事の中で必死に生きる女性像が音道貴子を通してリアルに描かれ、ミステリー小説にさらに深みを与えている感じ。
滝沢刑事は、素直になれない中年男性の典型?!彼の描き方は非常に上手いなあと感じます。

この作品は、読んでいると切なくなります。事件の影に隠された悲しいもうひとつの事件。そして音道と滝沢のコンビはどうなるのか?

さすが直木賞受賞作だ!と思える非常に面白い警察ミステリー小説です。

『凍える牙』
著者: 乃南アサ
出版社:新潮社
価格:¥750(税別)