謎解きの王道!「キングを探せ」法月綸太郎

法月綸太郎さんの「名探偵 法月綸太郎」シリーズの
「キングを探せ」を読みました。
いや~、面白かった!!!

法月作品、かなり久々に読みましたが、「誰彼」「頼子のために」
「一の悲劇」などの法月作品とはちょっと違うって感じでした。
力の抜け感が良かったかも。

キングを探せ

「キングを探せ」は四重の交換殺人を企てた殺人者たちを追いつめる
法月警視と息子で名探偵の異名を持つミステリー作家・法月綸太郎を描く、
謎解き重視のミステリー作品。

古びたカラオケボックスに集まった4人の男たち。
彼らの目的は、交換殺人による完全犯罪の達成。
誰がいつどの順番で誰を殺害するのか?
トランプのカードで決める。
4人がそれぞれの相手を間違いなく殺害することが
出来れば、完全犯罪が成り立つ・・・。

この計画は完璧に思えた。

妻を殺された男は、当初警察から事情を聞かれたが、
事件当日は完全なアリバイがあったため、警察は
一度あきらめる。しかし捜査してゆくと、保険金殺人
の可能性が出てきたため、警察は夫をマーク。
だが、その男は警察の目の前で事故で亡くなってしまう。
警察が家宅捜索すると、2枚のトランプのカードが
見つかった。

法月警視は、この事件を息子の綸太郎ととも推理する。
綸太郎は、発見されたトランプが気にかかる。
そのうちに、別の場所でおきた強盗殺人事件の被害者の
甥のアパートからも同じようなトランプが発見された・・・。

親子で、推理合戦を繰り広げる下りは面白い。
さらに完璧だと思われた交換殺人の計画がほころび始め、
犯人たちと法月親子との駆け引きも見事!
4重の交換殺人という一見完璧に思える計画。
2転3転しながら真相に繋がる展開は読んでいて飽きなかった。
探偵小説の謎解きが堪能でき、文句なく面白かった。

『キングを探せ』
著者:法月綸太郎
出版社:講談社
価格:¥660(税別)