警察学校が舞台、異色の警察ミステリー第2弾「教場2」

長岡弘樹さんの警察学校を舞台にした
警察ミステリー「教場」の第2弾が発売!
タイトルは「教場2」。
待ちに待った作品!早速読みました!

教場2

前作と同様に6話の短編が最終的には繋がる、連作短編となっている。

前作は警察学校内での切磋琢磨する生徒たちの生き残りを
欠けた熾烈な競争が謎の提示に繋がっていたが、
今回は、未来の警察官として優秀な者たちが残った中、
風間教官に最終的な試練を与えられる姿が描かれる。

授与されたばかりの警察手帳紛失の謎、
次々と起こる備品紛失、誰が何のために?
厳しく嫌味な教官に対する嫌がらせの果ては?
風間教官への敬慕の想いを抱いた結果は?
刑事に憧れる生徒へ捜査能力は?
卒業生答辞を巡る嫉妬・・・。

それぞれの短編に仕掛けられた巧妙な伏線。
一行も読み飛ばすことは出来ない。

風間の眼は警察官として生き残ってゆけるかどうかを
見極めるために、ただひたすら生徒に厳しい。
だが、時に優しさを見せる。
今回の作品は、風間のそのギャップがとても良い。

また、日常が淡々と描かれているが、その中で起こる
事件、その真相を著者ははっきりとした言葉で表さない・・・。
キーワードだけを残し、読者はそのキーワードから推理。
真相がわかったとき、あ~なるほどとそうなのかと気づく。
そのさりげなさが何だか心地よいのだ。

「教場2」は前作よりさらに進化し、謎の多かった風間の姿を
徐々に描き出し、読者を楽しませてくれた。

『教場2』
著者:長岡弘樹
出版社:小学館
価格:¥1,500(税別)