大規模火災と闘う人々を描く!!「炎の塔」

以前、新聞で紹介され読みたいと思っていた作品。
五十嵐貴久さんの「炎の塔」を読みました。

読み進めると・・・あれ?この話どこかで観たなあ~。
そう!あのハリウッドの超大作スペクタクル映画
「タワーリング・インフェルノ」を思い出します。
超高層タワービルのオープン初日、政財界、映画界
などから招待されたVIPたちや、そのタワーの
住人となる人たち、ホテルに招待された一般客など
を巻き込んだ大火災、その火炎と闘う消防士たち、
それぞれの人間ドラマを描き切った、ハリウッド映画の
最高峰にして最高傑作!

五十嵐さんは、この映画にインスパイアされ、
「炎の塔」を描いたと語っておられます。

「炎の塔は」映画にも勝るとも劣らない面白さで描かれていて、
読み始めたら止まらない。

炎の塔

銀座に権力の象徴である、日本一のランドマークタワーを建設する!
不動産王として暗躍を続け、政財界に睨みを効かせ続けた、
鷹岡重蔵。その重蔵は瀕死にあり、「ランドマークタワー」完成と
いう狂気の妄想は、息子・光二に受け継がれた。
しかし、金しか信じられない光二が創った「ランドマークタワー」は
砂上の楼閣・・・。一番大切な安全性が欠如していた・・・。

その、高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビル「ファルコンタワー」が完成した。
オープン初日、このタワーには震災を生き抜いた親子、
重病を克服した老夫婦、禁断の恋に落ちた教師と女子高生、
離婚問題に直面する夫婦など、様々な事情を抱える人たちが訪れていた。
完成披露の時間は刻々と近づいていたが、様々な場所でトラブルが起き、
光二の怒りは頂点に達していた・・・。
そして、華やかなオープニングセレモニーの陰では、小さな火種が燻っていた。

異変を察知したタワーから連絡を受け、通称‘ギンイチ’と呼ばれる
銀座第一消防署の隊員が調査に向かった。
オープン初日に火災・・!?
安全神話を信じ続ける光二は絶対に認めようとはしない。
最上階のホールで客の接待に明け暮れるばかりだ。

異変の元である熱源を調査する消防隊員たちを、
いきなり爆発が襲った!!
若き女性消防隊員・神谷夏美は、恐怖と混乱の中、状況伝える!
大火災をを予感した調査員たちはすぐさま、大規模火災消火に備えた!

炎に包まれる中、登場人物たちの人間ドラマが描かれる。
病気を克服し、再起を誓う老夫婦の深い愛、
禁断の恋へと突っ走った教師のと生徒の結末。
心が離れ離婚へと向かう夫婦に与えられたチャンス!
震災を乗り越えた家族に再び巡ってきた災害。
彼らの行方はどうなるのか?
最上階に取り残された人々の運命は?

崩壊した“安全神話”、襲いかかる炎、逃げ場のない密室
完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか?

多くの人たちの命を救うために、自ら死地に向かう消防士たちの姿。
映画も良かったが、小説で読むとさらに心が突き動かされる!
それらすべてが一つになって、最高の興奮と感動が伝わってくる。

地上450メートルの超高層ビルが大火災に見舞われる空前の超弩級パニック小説!
想像を絶する焔(ほのお)と人間の戦いを描く極上エンターテインメント!
小説で映画のような興奮が味わえること間違いなし!!!

『炎の塔 The Tower Of Flame』
著者:五十嵐貴久
出版社:祥伝社
価格:¥1,800(税別)