迷宮入り事件に挑む!「赤い博物館」

大山誠一郎さんの「アリバイ崩し承ります」が
あまりにも面白かったので、他の作品を探していたら、
文庫の新刊台で見つけました!
「赤い博物館」(文春文庫)です。

少し内容を読んだら、何だか記憶が・・・
ドラマの原作本でした。
そういえば、ドラマは視たはず!!

警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」は、
警視庁管内で起きた事件の証拠品(凶器・遺留品)
・捜査書類など、一定期間の過ぎた物を所轄署から
預かり保管する場所。その中には、迷宮入りした
捜査資料もある。

巡査部長の寺田は大失態を犯し、この「赤い博物館」に
左遷された。
直属の上司は、博物館の館長でキャリアの緋色冴子。
頭脳明晰だと噂されている。
なぜ「赤い博物館」の館長なのかは不明。

そんな彼女は1日中、過去の捜査資料に目を通している・・・。

そして、寺田の仕事は所轄から回されてきた捜査資料などの
ラベル貼り・・・のはずだった!?。

ある日、冴子の命令で、迷宮入りした事件の
再捜査をすることになる。

コミュニケーション能力は皆無だが、ずば抜けた推理能力を
持つ緋色冴子が迷宮入りした捜査資料を読んで、
寺田に捜査を行わせる。
冴子の指図通りに動く寺田。果たして事件は解決するのか?

捜査資料を読むことによって、読者も冴子や寺田巡査部長と
同じ目線だ。しかし、冴子の指図の意味は、寺田同様に全く
わからない。(わかる読者もいるのだろうが・・・)
その後、寺田が捜査状況を報告すると、冴子は鮮やかな
推理で真相を暴くのだ。

その驚くべき設定!想像を絶するトリック!に
唖然とする・・・。

息をのむほど鮮やかな推理で解決される短編5編。

「アリバイ崩し承ります」同様に、面白過ぎます!

『赤い博物館』
著者:大山誠一郎
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥760(税別)