早くも大人気!「新東京水上警察」シリーズ第2弾「烈渦」

吉川英梨さんの新しい警察小説「新東京水上警察」シリーズは
早くも警察小説ファンに大人気です!

東京湾を舞台に、犯人を追いつめ疾走する警備艇・なでしこ。
その臨場感には圧倒されます。

シリーズ第2弾となる「烈渦」
東京湾に係留されている、元南極観測船「宗谷」の施錠された船内で、
男性の腐乱死体が発見された。
東京水上警察・五臨署の碇たちは警備艇で現場に急行するが、
湾岸署と捜査権争いになってしまった。
捜査権は、湾岸署に持って行かれた碇たちは、独自に捜査する。
やがて、腐乱死体の身元がわかると、容疑者も浮かび上がってきた。

「宗谷」に愛情を注ぎ過ぎて家族との摩擦が多かった男は、
ある事件に巻き込まれ、船室に閉じ込められてしまった。
必死に家族に助けを求めたが、妻は夫の連絡を無視した。
その結果、夫は熱中症で死んでしまったのだ。
妻は「未必の故意」という夫殺しの容疑で逮捕される。

しかし、なぜ男が船室に閉じ込められたのか・・・?
一体そこで何が行われていたのか?
碇たちは、さらに捜査を続ける。
そんな時、捜査中に怪しいと目をつけていた男が拉致されたと
男の恋人から連絡が入った!

この頃、都心に最大級の台風が迫っていた。
碇たちは事件の重要な端緒をつかんでいたが、
警備艇は、東京湾の安全を守らなくてはならない。
台風警備と拉致事件どちらが重要なのか?
台風がきても捜査は続けなければ!という碇の熱血さに
負け、警備艇は台風組と事件を追うため、二手にわかれることになった。

シリーズ第1弾で、碇の部下、日下部刑事と恋人同士だった
海技職員の有馬礼子。しかし碇に心を奪われ想いをぶつけた。
2弾では、碇と礼子のその後も描かれて、物語を通して二人の
関係の微妙な変化を楽しむことができる。
さらに日下部刑事は、礼子に振られたあと、情報屋として
使っていた湾岸署の事務員と結婚すると言い出した。
その裏には何かあると、碇は思っていた。
上昇志向の強い日下部だが、碇にとってはかわいい部下。
心配していた。

そして、とうとう台風が上陸した。
それぞれの職務を全うしようと碇たちは必死に事件と台風と闘うことになる!

凶悪事件、台風による水害と救出、さらには都政に絡む陰謀までも描く。
圧倒的迫力で迫る、海上での闘いに息を呑む!!
1弾を上回る面白さだ!

「烈渦 新東京水上警察」
著者:吉川英梨
出版社:講談社(文庫)
価格:¥720(税別)