ぶっ飛んだ展開に唸る!!第32回横溝正史ミステリ大賞受賞作「デッドマン」

3月は、とにかく好きなミステリーを読む!と
決めていたので、以前友人から借りていた、
「デッドマン」河合莞爾著(角川文庫)を
読みました。
本読みの友人がものすごく面白かったと言った
お墨付きの作品。

頭部を鋭利な刃物で切りとられた死体、胴体のない死体
右手がない死体・・・。身体の一部を切りとられた死体が
次々と発見され、それらはすべて保存液に浸されていた。
外傷は一切なく、無くなった部分以外はすべてきれいな死体。

最初の事件で特別捜査本部が置かれた。
科警研のプロファイリング、鑑識の発表を聞いた
警視庁の鏑木警部補は、この事件は
怨恨でも、ただの猟奇殺人でもない、犯人は身体の
部位を盗んでいったのだ・・・と感じていた。
捜査本部でそういう見解を述べた鏑木は、
捜査一課長から、この連続死体遺棄事件の指揮を命じられる。
慣れない指揮官ではあったが、皆がついてきてくれた。

消えた体の部位は、いったい何に使われるのか・・・。
頭と胴体と、両手、両足をくっつけて・・・・?
鏑木の頭に浮かんだ一つのイメージ・・・。
まさか、フランケンシュタインのような怪物を作るつもりなのか・・・?

鏑木率いるクセモノ揃いの特捜班が必死で捜査をするが、
端緒さえ見つからない。混迷を極めたまま、半年が過ぎた。
そんなある日、ひとつのメールが捜査本部・鏑木宛てに送られてきた。
そこには、「僕は、死体の一部を継ぎ合わされて作られたデッドマンです。
僕たちを殺した犯人を見つけてください」と記されていた。

このメールから事件は急展開を見せる。

読み進めると、あまりの奇想天外なストーリーに面食らう。
物語の途中で、鏑木がフランケンシュタイン説を
医者に取材するシーンがある。そこで医者は、
切りとられた部位を接合して新たな人間を作り上げることは可能であると
言っている。嘘だ!マジか!?唖然!

この物語の真相を読みたくて読みたくて、止まらなくなってしまった。
空前絶後の真相にぶっ飛ぶ!

あまりの面白さに読み終わった後丁寧に解説を読んだら、
横溝正史ミステリ大賞受賞作と記されていた。
全くノーマークだった。(うかつ~~~)
それにしても、横溝正史ミステリ大賞受賞作は面白すぎる・・・。

『デッドマン』
著者:河合莞爾
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥560(税別)