異色のコンビが事件の真相に迫る!今野敏氏『ペトロ』

今野敏先生の最新刊・『ペトロ』(中央公論新社)を昨日会社から帰って、いっきに読んでしまいました。面白かったです~。
この作品は、『隠蔽捜査』の竜崎シリーズ、『東京湾臨海署安積班』の安積警部補シリーズと並び今野先生の警察小説シリーズでは、警視庁捜査一課のウスやんこと、碓氷弘一警部補が主人公の人気シリーズです。
碓氷刑事が注目を集めたのは、『触発』(中公文庫)。自衛隊髄一の爆弾処理スペシャリストと組んで、爆弾魔を追いつめる物語。
次は『パラレル』(中央文庫)。非行少年が次々と殺害される事件で、碓氷刑事は広域捜査に駆り出される。このとき事件の解決に一役買ってくれたのは、鬼龍という祓い師。
さらに『エチュード』では、通り魔殺人犯が仕掛けた‘犯人すり替え’を女性心理調査官とともに挑む!
そう!碓氷刑事は、いつもちょっと変わった経歴のスペシャリストと組んで事件解決に一役買うのです。

そして、最新刊『ペトロ』(中央公論新社)では、外国人大学教授をパートナーに、殺害現場に残された謎の古代文字の意味を解読し、事件の真相に迫る!というストーリー。
このシリーズでは、今野先生の博学さが際立っています。
『触発』では、爆弾作ったことがあるのかと突っ込まれたり、『パラレル』では新興宗教や、修験道などについてものすごく詳しく書き込んでいるし、『エチュード』では心理調査にまで踏み込んでいます。
そして今回は古代文字。ペトログリフや、考古学、神代文字、メソポタミアなど、古代歴史が好きな人にはほんとに読んでいて面白く、ただの警察小説では終わらない凄さ。
しかも『ペトロ』はミステリー小説としても完成度が高い!
外国人大学教授の知識から事件の謎を徐々に解き明かし、犯人に近づいていく・・・。謎解き大好きなはまさきは、もう止まりませんでした。

異色コンビが事件の謎を解き明かす、警察ミステリーの傑作です!(夜読み出すと眠れないよ~)

『ペトロ』
著者: 今野敏
出版社:中央公論新社
価格:¥1,600(税別)