今までにない展開!おぞましさ半端ない!「鬼を纏う魔女」

吉田恭教さんのオカルトミステリ、探偵・槇野&鉄仮面女性刑事・
東條刑事シリーズのスピンオフ作品「鬼を纏う魔女」を
読みました。

吉田恭教作品にすっかりはまってしまったのです。
「鬼を纏う魔女」は、鬼に魅入られ狂ってしまった
人間たちのおぞましさが描かれています。

婚約者に裏切られ、自殺を決意した美貌の女性は
富士の樹海に入っていった・・・。

山梨県警に死体遺棄事件の連絡が入った。
雑木林の中から地中浅く埋められた女性の遺体が発見されたのだ。
捜査一課の若き刑事、桐生は先輩刑事の宇津木らとともに
現場に向かった。
遺棄された遺体の身元はあっさり判明した。
その女性は東京の六本木でのクラブで働いていた。
桐生たちは早速六本木へと向かう。

一方、警視庁捜査一課の鉄仮面刑事・東條有紀は、
ヤク中による通り魔事件の捜査をしていた。
4人の被害者があったが、一人だけ生き残った。
病院に搬送されたが、生存の確率は5分5分。
若く美しい女性だが、その胸には、鬼の入れ墨が
施されていた。しかもその女性の持ち物は、
赤外線暗視スコープに携帯用GPS、ブラックライト。
この女性は何をしようとしていたのか?
東條は、この女性の身元を探ることにした。
まず、入れ墨からだ。彫師を探すため、
元組対刑事で現在は探偵業に励む、槇野に連絡をとった。
槇野から紹介された彫師に聞くと、女性の胸に
施された鬼の入れ墨は、その筋でも有名な彫師だった。
だが、その彫師はマンションから飛び降り自殺を図ったという。
東條は、女性の入れ墨と謎の持ち物、彫師の
自殺が偶然の一致でないと感じる。
東條は、さらに女性の戸籍を調べると不可解な記載に行き当たる。

鬼の伝説が意外なものと繋がり、おぞましい展開となる。
その恐ろしさは幽霊どころの比ではない。
狂った人間の所業こそ一番恐ろしいと言える。
その禁忌に焦点を充てたこの作品。
おぞましいけど、面白い。どんどん面白くなってやめられなくなる!!
しかし!!読み進むと、全身が総毛だちます!

『鬼を纏う魔女』
著者:吉田恭教
出版社:南雲堂
価格:¥1,800(税別)