「SROⅦ」シリーズ最新作!シリアルキラーの後継者

大人気の警察小説シリーズ「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」
第7弾が発売されました。
前回のⅥから待ちに待った最新作です!

Ⅵでは、SROの面々が命懸けで最強の
シリアルキラー・近藤房子を逮捕した。
SROの副室長である芝原麗子は、近藤の罠に
はまり顔に大けがを負ってしまった。
それでも、芝原は近藤に戦意を喪失させるほどの
ダメージを与えた。
そして、近藤房子は東京留置所特別病院に入院した。

新宿で闇金業者が殺害された。その現場から亀戸で
遺体となって発見された少年の指紋が見つかった。
SRO室長・山根新九郎は、法歯学の見地から少年の
発育に遅れがあったのだ知った。
なぜ、殺害現場に少年の指紋が残っているのか?
そしてその少年はなぜ殺されたのか・・・?
謎が深まる事件だ。
その事件の捜査のため、科警研の夏目を頼った。
SROチームの面々はそれぞれ個人的悩みを
抱えながら、捜査を続けた。

かたや、瀕死の重傷を負った近藤房子は
SRO室長・山根新九郎と芝原麗子から取調を受ける。
まだまだ傷の痛みが残っている近藤だったが、2人からの
取調をのらりくらりとかわしていた。
そんな状態の近藤が興味を持ったのは、毎日ひどく
落ち込んでいる一人の担当看護師だった。
シリアルキラーである近藤は、たくみに人の心に入り込む。
人の共感感情をくすぐり、自分の味方に引き寄せるのだ。
近藤は自分の後継者として、彼女にターゲットを絞る・・・。

今回の「SRO」のテーマはひどく重い。
児童虐待、ネグレクト、介護問題、詐欺、不倫・・・。
人の心を疲弊させる現代の日本が抱える大きな問題。
その苦しみや心の疲れが澱のようにたまると
殺意が芽生えてくる・・・。
身近に起こりうる社会の闇。
その闇にはまり光を見失った時、人はどうなるのか?
人は、感情の一線を越えると、こうまで歯止めが
効かなくなるのかと・・・・。
あらためてその恐ろしさに気づく。

冒頭の不穏なシーンの描写は、明らかに重大事件の予感。
そこからの展開に呑み込まれてしまう。しかも別方向からの
さらなる不穏のアプローチ!!
いったいこれはどう繋がるのか!?
いっき読み必須の警察ミステリ。

『SROⅦ 警視庁広域捜査専任特別調査室 ブラックナイト』
著者:富樫倫太郎
出版社:中央公論新社
価格:¥880(税別)