心をざわつかせる、衝撃度MAX!サスペンスミステリ「代償」

生きている内に絶対に出会いたくない邪悪な心を持つ人間。
伊岡瞬さんが描く、「代償」にはそういう人間が登場する。

優しい父と美しい母に育てられ、人を疑うことを知らない
純粋な心を持つ少年・圭輔は、遠縁にあたる達也という
同学年の少年と出会った。

小学生の時の不幸な事故をきっかけに、達也の家族と
暮らすようになった圭輔。幸せに過ごした頃から一転。
過酷な思春期を送った。
そんな圭輔だったが、成長してから弁護士となった。
ところがある日、とうの昔に忘れ去っていた
達也から、弁護の依頼が舞い込んだ。
無実の罪で逮捕されたので弁護してほしいとの旨が
記されていた・・・・。
弁護を引き受けざるを得なくなった圭輔・・・。
しかし、そこには巧妙な罠が仕掛けられていた・・・。

うわべは人懐っこく優しいが、一皮むけば
モンスターへと変貌する邪悪な人間。
自分は一切手を下さず、人の心をざわつかせる言葉を吐き
相手を追いつめる・・・。

人の心を弄ぶ悪魔のような人間と、平凡な青年との対比。
そして、追いつめられ崩壊寸前の圭輔の心理が、
臨場感たっぷりに描かれていて、読んでいると心が
冷えてゆくような感覚に陥る。
自分はこんな人間に出会えばどうなるだろうかと
想像してしまう。しかし本当にこんな人間は
存在するのだ。

こんな人間をいかにして追いつめるのか・・・?
ラストに用意されたまさかの展開に息を呑む!

この作品は、小栗旬主演でドラマ化されています。

『代償』
著者:伊岡瞬
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥800(税別)