‘超’逆転の医療ミステリー!「ネメシスの契約」

吉田恭教さんの厚労省・向井俊介シリーズ第2弾
「ネメシスの契約」を読みました。
デビュー作「変若水 をちみず」に続き、
壮絶なトリックは読み応え十分です。

厚労省医政局総務課医療安全推進室に勤務する
向井俊介に調査の依頼が入った。
従妹の司法書士から紹介された女性弁護士の
相談事は、依頼人の夫が胃がん治療のため入院したのに
心筋梗塞で亡くなったのはおかしいと病院側の医療ミスを
疑っているので、その病院を調査してほしいとのことだった。
しぶしぶ調査を始めた向井だったが、その男性がどんな
状況で亡くなったのかをスタッフ聞いていくと、妙な
違和感を感じた。

スポーツ新聞の記者である周防正孝は、大学生の時
父親の高木が判事の首を切りとるという猟奇的
殺人を犯し、拳銃自殺したことに疑問を抱いていた。
高木は正孝の母と自分に虐待をし悪事に手を染め、
何度も警察のやっかいになっていた。

殺されても死なないような男が、自殺などするはずがない。
実父の汚名を晴らすというより、自分と大切な恋人の将来の
ために高木の冤罪を晴らしたいと考え、事件を調べ直すことにする。

かたや、死刑制度反対を訴える、人権派弁護士の中学生になる息子が
無残な遺体で発見された。しかもその殺害過程を撮影した
テープを遺族に送りつけたのだ。副島刑事はあまりの
残虐性に、犯人の強烈な悪意と憎悪を感じた。
これはただの殺人事件ではない・・・。

厚労省の向井が調査する医療ミス、記者の周防が調べる
高木の冤罪、副島刑事が捜査する殺人事件。
それぞれが抱える案件が交差した時、犯人の恐ろしい
計画が暴かれる!!

悪意と憎悪の連鎖が生んだあまりにもすさまじい殺戮事件。
それは、殺害トリックにも表れている。
誰もが想像を絶するトリックにのけぞるだろう・・・。

横溝正史的世界観のミステリに最新医療の殺害トリックと
テクノロジーを用いた、奇想天外な本格ミステリー。

『ネメシスの契約』
著者:吉田恭教
出版社:光文社
価格:¥2,000(税別)