シリーズ最高傑作「機龍警察」第5弾「狼眼殺手」

至近未来警察小説の傑作「機龍警察」シリーズ。
第5弾は「「狼眼殺手」だ。
ただならぬ気配をにじませたタイトル。

いったいどんな展開なのか?

経産省が中国と共同で推し進めているプロジェクト「クイアコン」。
巨大プロジェクトの利権目当てに様々な人間が絡む。
そして、その関係者たちが次々と殺害された。

特捜部の沖津部長は、警視庁の上層部から、事件の捜査を
依頼される。だが以外にも捜査一課・二課との合同捜査だった。

特捜部と刑事部との確執は根深い。
しかし今回の事件はすべての力を結集しなければ解決を見ない。
利権と殺人事件、何が何でも解決しなければならない事件だ。

だが、警察をあざ笑うかのように謎の暗殺者は殺害を繰り返す。
特捜部でも暗殺者の正体をつかむことが困難だった・・・。

ところが、特捜部のライザ・ラードナー警部は暗殺者が
誰なのか掴む。それはライザと同じテロリストで、
「狼」と呼ばれる最強の戦士だった女。

特捜部では彼女をとらえ、敵の正体を暴くつもりだったが、
ライザをもってしても困難だった。

そして特捜部は内部でも疑心暗鬼が生まれていた。
城木と宮近の眼に見えぬ対立。またクールな
沖津の動揺・・・。
さらに沖津にも重すぎる「機龍兵」の重大な秘密。

様々な事件、人間関係、警察内部の軋轢が特捜部・
沖津を襲う。
かつてない重責に内部崩壊寸前の特捜部だった。

只一人、「狼」との死闘でライザは何かを掴む。
自分自身を変える何かだ。それは鈴石主任との
関係であった。

深い闇の中をさまようような今回のストーリーの
中で一点、希望が持てるライザと鈴石。

彼らに、特捜部に未来は何をもたらすのか?

月村氏の心の叫びがシリーズ最高傑作を作り上げた。
「このミステリーがすごい2018年版」国内編第3位に
輝く警察小説の極致。

『機龍警察 狼眼殺手』
著者:月村了衛
出版社:早川書房
価格:¥1,900(税別)