ポーランドミステリーの衝撃!『怒り 上下』

海外ミステリーで、今年注目された‘ポーランドミステリー’を
読みました。
ジグムンド・ミオシェフスキ『怒り 上下』(小学館)です。

ポーランドのミステリーは初めて読みました。
度肝を抜かれる展開に絶句します。

ポーランド北部にある工事現場で白骨死体が発見される。
発見現場は、病院に続く地下の防空壕だった。
検察官のテオドル・シャッキは、その現場を見て
戦時中のドイツ人の遺体ではないかと考える。

しかし、検屍官の報告は眼を疑うものだった。
白骨化した遺体は男性で、10日前までは生きていたというもので
短期間に白骨化することはありえないという。
さらに調査を続けると、複数の人間の骨が入り混じっていた。

やがて、この男が生きたまま大量の排水管洗浄剤で溶かされ
殺害されたことがわかった。

テオドル・シャッキは人間を生きたまま溶かすその殺害方法に
殺害された男に対する怒り以上の何か恐ろしく異常なものを感じた。

これはただの殺人ではない・・・。
シャッキは必死で捜査しその骨の身元が判明する。
しかし犯人に繋がる手掛かりがつかめなかった。

またプライベートでは、高校生になる娘と衝突ばかり。
離婚し、新たなパートナーと暮らしても彼女の態度に
イラつくばかり。
そんな時、検察局に「夫が恐い」と訴える女性が
現れた。シャッキは女性の話を聞くが、虐待されているという
証拠もなくそのまま帰してしまった。
その後、部下の一人からその対応を責められ、シャッキは
女性の家を訪ねた。
そこには、瀕死状態で横たわっている女性と
小さな男の子が呆けたように座っていた。

自分のしでかしたことに責任を感じたシャッキは、
事件の報道をするラジオで自分のミスと検察官を
辞めると発表する。

しかしこの後、シャッキの身に思いもよらない
恐ろしい事件が起こってしまう!

なんと恐ろしいミステリー小説か・・・?
読み進めるごとに何かとんでもない恐ろしいことが
起こっているのでは?という予感。
しかも、ほんとに先が読めないのだ。
何がどうなっている?一体誰が犯人?
これは連続殺人?それとも復讐?だとしたら
誰が何のための・・・?
疑問ばかりが渦巻く。だから読まずにはいられない!

ありえない展開が衝撃的過ぎる!ポーランドミステリー

『怒り 上下』
著者:ジグムント・ミオシェフスキ
出版社:小学館(文庫)
価格::上下各¥770(税別)