竜崎伸也意外な一面に気づく!隠蔽捜査シリーズ第7弾「棲月」

待ちに待った、「隠蔽捜査」シリーズの新刊が発売されました。
シリーズ第7弾「棲月」です。

今野先生の人気シリーズの新作が続々発売でファンは嬉しい悲鳴です。

「棲月」では、竜崎の身辺がざわつきはじめます。

その日、竜崎は息子から留学について話があると言われる。
息子の留学に気をとられながら通勤し、署内を見ると、
珍しく署員の数が少ないことに気づく。
警務課長に問うと、電車が止まっているという。
事故なのか?だがシステムがダウンしたとの事だった。
私鉄が原因不明のシステムトラブル?・・・。

竜崎は、念のため生安でサイバー事件に詳しい
署員を鉄道会社に向かわせた。
だが、弓削方面本部長からクレームが入る。
さらに、銀行でもシステムがダウンしたとの
連絡が入った!
2件連続のシステムダウン・・・。
これは偶然ではない。竜崎はサイバー事件だと直感した。

ところが今度は警視庁の生安部長から強烈な横槍が入った。
誰に対しても、原理原則を貫く竜崎は平然と横槍をかわす。
謎のシステムダウン事件は、警視庁サイバー犯罪対策課へ
引き継がれた。
そして、その夜公園で男性の遺体が発見された。

原因不明のシステムダウン、そして謎めいた殺人事件・・・。
殺害された少年の周りを探ってゆくと、奇妙な「都市伝説」に辿り着いた。

「棲月」はミステリーの色の強い警察小説となっていて、いつもよりも
謎解きが楽しめる。
さらに、竜崎の危険を察知する能力には目を瞠る。
縦割りの警察組織を原理原則でぶった斬るシーンは
何度読んでも気持ちが良い。
胸がすっとする。
仕事のストレスなどどこかへ飛んでいってしまう・・・。

しかし竜崎の身辺にも変化が訪れる・・・。
それを知った竜崎の心の変化に自分自身が驚くシーンがある。
やはり竜崎は面白い。
清らかな正義感に署員の誰もが心酔している。
そのシーンにうるっときてしまった。

次回「隠蔽捜査」シリーズの新たな局面が楽しみで仕方ない。

『棲月 隠蔽捜査7』
著者:今野敏
出版社:新潮社
価格:¥1,600(税別)