ネットの小説投稿サイト、ピクシブ。
その小説コンテストで史上最多応募作品数の
中から「ピクシブ文芸大賞」の大賞を受賞した
衝撃的デビュー作、小林大輝著「Ｑ＆Ａ」。
テレビ朝日でドラマ化決定です。

ひと目見て、顔をしかめたくなるほどの凄惨な殺害現場。
その現場に、なぜか幸福そうな表情を浮かべた
刺殺体が見つかった。
遺体のそばには、血にまみれた1冊のノートが落ちていた。
それは、犯人と被害者がお互いに語り合うように
書かれたノートだった。事件の鍵が遺されている
かも知れないと確信した刑事のKと鑑識のGは、
書かれた3つのQ＆Aを通して、法律では
裁けぬあまりにも傷ましい犯罪を明らかにする。

残酷な世界で生きる決意をした少年が、
たった一人の大切な存在と巡り会った。
しかし、それは少年をさらなる過酷な
運命へと導いた。
過酷で理不尽な現実の中で必死に生きる
少年の姿にひきつけられる。

登場人物の名前がアルファベット？！
そこからただならぬ不穏さを感じさせる。
そして描かれるこの世界の不条理さ、人間の残酷さ。
その中で凛として生きる少年。心の中は
絶望であふれているのに、それをおくびにおださない・・。

海外のミステリー小説のような、そうでないような
今までに読んだ事のない不思議なミステリー小説だ。
読後はふわふわした着地感に少しとまどうけれど、
心に強烈なメッセージが残る。
デビュー作とは思えない完成度。

『Ｑ＆Ａ』
著者：小林大輝
出版社：幻冬舎
価格：￥1,300（税別）