格調高いファンタジック後宮ホラー「後宮の烏」にはまる!

文庫担当のスタッフが、「めちゃめちゃはまりました!」
と言って紹介してくれたのがこの作品。
『後宮の烏』白川紺子著(集英社オレンジ文庫)

目利きの担当者に薦められたら、読まないわけには
いきません!早速読みました。

後宮ものは結構好きなはまさきです。
読み終わるのがもったいないくらい面白かった!

「十二国記」、「紅霞後宮物語」「八咫烏」シリーズ
を読んでいるならば、絶対にはまる!

時の皇帝・高峻は、ある依頼のために
「烏妃」の許を訪れる。
老婆だと思っていた烏妃は、少女の面影を
残す、美しい女性だった・・・。

政争にからむ殺人事件の謎や、幽鬼と呼ばれる
幽霊も登場する。彼らがなんのために現れるのか?
その声を聴くのは、不思議な能力を持つ「烏妃」だ。
妃と呼ばれながら決して皇帝の妃にはなれない。
女神である烏漣娘娘(ニャンニャン)に仕える
巫女なのだ・・・。

哀しい過去をひきずりながら生きる、皇帝・高峻の秘密。
そして「烏妃」の謎。彼女は一体何者なのか?
さらに、王朝に蠢く数々のミステリーが
二人が出会ったことで、明らかになる。
「禁忌」を破るこの邂逅で一体何が起こる!?

個性際立つ人物描写で、物語に惹きつけられる。
特に、少女でありながらすでに達観している
「烏妃」の魅力が申し分ない。

ミステリー仕立てにホラーとファンタジーを
加えたことで、より物語の面白さが際立っている。

この1冊で終わりにしてしまうのはもったいない!
ぜひシリーズ化してほしい作品。

『後宮の烏』
著者:白川紺子
出版社:集英社(オレンジ文庫)
価格:¥600(税別)