「浮雲心霊奇譚」シリーズ第3弾「菩薩の理」。

神永学さんの「浮雲心霊奇譚」シリーズ
第3弾「菩薩の理」を読みました。

今回は浮雲さんと八十八さんとの間に確執が
生れてしまいますが・・・。
浮雲さんの八十八さんに対するイライラ感に
ちょっと共感してしまいました。

幕末の混沌とした江戸で怪異事件が続発する!
そんな事件は、一人の「憑き物落とし」が秘密裏に
闇へと葬っていた。その「憑き物落とし」の名は「浮雲」。
白い着物をさっそう(?)と着こなし、
目に赤い布を巻いている。
絶対におかしなかっこうだと思うが、怖くて誰も
突っ込めないだろうと思う。
実は彼は、「死者の魂」を見据える「赤い瞳」
を持っていた。人間はそちらのほうに恐れを抱くのか?
そして、どこへ行っても、俺流を貫く浮雲は、
死んだ者がこの世に遺した想い・・彼らの声を聞く。
それこそが真実!それこそが事件解決の鍵!

「死人の理」
ある呉服問屋に死んだ娘の幽霊が出没した!
さらに棺桶に入れたはずの櫛が見つかり、
娘の墓を掘り返したところ、亡骸が消えていた!?
相談を受けた八十八は早速、浮雲の棲む神社へと向かうが・・。

「地蔵の理」
首なし地蔵で首なし死体が出たとの通報を受けた
八王子千人同心・林太郎は、そこで不気味な死体を発見する。
そこへ、一人の女が現れた。女は「地蔵様が仇をとってくれた」
と狂喜した。その直後青白い光を見た林太郎は幽霊に憑依された!?
近藤勇からの依頼で現地へ向かう浮雲と八十八だったが・・・。

「菩薩の理」
首なし地蔵の事件のあと、またしても怪事件勃発!
今度は、夜毎、無数に現われる赤子の霊におびえる男の依頼だ。
しかし浮雲は彼の依頼を渋る。その姿を見た八十八は
浮雲に対しとうとう怒り心頭となってしまった!
八十八は、一人男の依頼を受けるが、その恐ろしさに絶句!
結局浮雲に助けられることとなった。
そして憑きもの落としに関わった浮雲は、
その背後に妖しげな人物の邪気を察知する!?

邪悪な心を持つ怪しげな人物が暗躍、そして
第1弾から登場していた謎の男「土方」に加え、
今回は近藤勇、無敵の少年剣士、宗次郎も登場する!
(もしかして沖田総司!?) 

新たな展開に益々面白くなるシリーズ第3弾!

『浮雲心霊奇譚 菩薩の理』
著者:神永学
出版社:集英社
価格:¥1,200(税別)