もう止まらない面白さ!「羽州ぼろ鳶組 菩薩花」

本屋大賞ノミネート作品読書の合間に、ついつい
手に取ってしまってそのまま一気呵成に読了しました。
大好きなシリーズ「羽州ぼろ鳶組 菩薩花」。
すでに7巻まで発売されているので、
あと2冊で追いつく感じです。

江戸では火消番付への関心が高く、お家の評判にも
繋がる。
火消番付の噂がそろそろ江戸庶民の間でささやかれる頃、
ぼろ鳶組・松永源吾は、無謀なやり方で他の火消から
手柄を奪おうと悶着を起こしている男を目にする。
その男は、仁正寺藩火消の柊与一だった。
柊与一の蛮行は、やはり番付のためなのか・・・?
たかが番付・・・。松永は胸に苦い思いを抱く。

そんな頃、火事専門の読売書きの文五郎は、不審な
火事場に遭遇する。火消しによる付け火か?
その後、文五郎が行方不明になってしまう。
父、文五郎を心配し行方を探す息子・福助・・・。
事情を知った松永たちは、真相究明に乗り出した。

そんな彼らの前に現れたのは、火事で親を失った
子ども救い、一人前の火消に育て、「菩薩」と
崇められている八重洲河岸火消・進藤内記だった。

いつもながら、火事場での奮闘シーンは圧巻だ。
しかも今回は、火消たちの壮絶な手柄争いも描かれる。
番付アップのために火事場をおろそかにする輩に、
命懸けのぼろ鳶組らは怒り心頭だ!
さらに人さらい、そして火消による付け火の疑い・・。
一体誰の仕業なのか?
その謎を追うミステリチックな展開と、現代で言う
サイコパスと松永との対決も読み応え十分!
最後の最後まで読ませる、泣かせる!止まらない面白さ!

『菩薩花 羽州ぼろ鳶組』
著者:今村翔吾
出版社:祥伝社(文庫)
価格:¥740(税別)