傑作揃いの短編集!「名探偵傑作短編集 法月綸太郎篇」

法月綸太郎著「名探偵傑作短編集 法月綸太郎篇」を
読みました。

「過ぎにし薔薇は」「背信の交点」「世界の神秘を解く男」
「リターン・ザ・ギフト」「都市伝説パズル」「縊心伝心」
の6編が収録されています。

推理小説家・法月綸太郎は、父・法月警視が携わる
事件によく首を突っ込んでいる。
父の方も、自分の推理を息子の綸太郎に話すことに
よって、事件の整理も出来るし、別の視点から事件
を見直すことができる。

父と息子の推理合戦のようでもあり、読んでいて
とても面白い。

特に印象に残った3作品!

「背信の交点」は列車内で起こった毒死事件。
たまたまその列車に乗車していた法月綸太郎は、
その事件に巻き込まれる。
死んだのは夫。妻は「あの女のせい」と言い、
不倫関係で悩んでいた夫は自殺したという。
一見、平凡な事件に見えたが、綸太郎はある
「交点」に気づく。
そして、歪んだ愛憎劇が見えてくる。

「世界の神秘を解く男」は、オカルトブームで
報道過熱気味のテレビやメディアを皮肉っている。
霊能力を持つとされる少女の部屋で起こる怪奇現象、
そして関係者の事故死・・。
綸太郎は、数々のトリックを解き明かしてゆく!

「リターン・ザ・ギフト」は、殺人事件の容疑者が
交換殺人を計画していたのではないかという
疑惑から物語は始まる。
アリバイトリックよりも、交換殺人の人間関係に
焦点をあて、二転三転する展開が読者を翻弄。
予想外の結末に目を瞠る!

想定外の面白さに驚愕する!

『名探偵傑作短編集 法月綸太郎篇』
著者:法月綸太郎
出版社:講談社(文庫)
価格:¥920(税別)