火龍の悪夢が再び江戸を襲う!『狐花火 羽州ぼろ鳶組』

じっくり味わって読んだ7巻「狐花火」。
とても切ない物語が心に響きました。
じわっと泣けました。

天才花火師と謳われた秀助。
しかし、花火の事故で愛娘を失いその衝撃で
最愛の妻は自ら命を断った。

事故の原因になった怠惰な江戸の火消に
復讐を誓い、秀助は江戸を焼いたのだった。

二年前、秀助は新庄藩火消頭取・松永源吾
と対決!捕えられ火刑になったはずだった!

しかし、今また秀助の仕業と思わせる火事が江戸で頻発。
水では消えない炎、噴き出す炎、そして自然発火…。

「火」を自在に操れるのは、秀助だけだ。
もしや秀助は生きているのか・・・?
誰もがそう思ったが、秀助は両腕を切りとられている。
一人では絶対に火付けはできない。
では、秀助の技を習得した者がいたのか?

松永たちは、江戸を守るため必死で下手人を探す。

そんな頃、番付狩りが横行していた。
江戸の火消したちに次々と降りかかる災厄。
また、麹町定火消・日名塚要人の怪しい動きが
松永たちを苛立たせる。

そして、秀助の手口と酷似した大火災が江戸を襲った!

秀助の後継者にまつわる謎、
日名塚要人の真の目的とは何か?
大火災はなぜ起こるのか?
数々の謎に向き合いながら、松永たちは、大火災と闘う!

松永たちが火付の下手人を追う現在と
秀助の過去が交互に描かれるが、その過去の物語が
切なすぎて心に突き刺さる。

『狐花火 羽州ぼろ鳶組』
著者:今村翔吾
出版社:祥伝社(文庫)
価格:¥760(税別)