シリーズ第8巻「玉麒麟」がめちゃめちゃ面白かった!
今回は、頭取並の鳥越新之助に焦点を絞った作品。
侍火消として順調に成長し、今や頭取並!
剣の腕前は府下十傑に数えられる、新庄藩の
鳥越新之助!
新之助は、豪商一家惨殺及び火付け事件の現場で、
娘を人質に、火消したちに剣を振るったとして、
その下手人にされてしまった。
現場で新之助に気づいた、加賀鳶の三番組組頭・
一花甚右衛門は、何かあると直感。
彼を逃すことに…。
凶悪事件の下手人として手配された新之助だったが、
火盗改めや、新庄藩の活躍を妬む江戸の火消したちの
包囲網を次々と打ち破り、逃走を続けた。
彼に一体何があったのか!
一方、幕府の命令で全ての動きを封じられた、新庄藩・
ぼろ鳶組の面々は、新之助に何があったのか?秘かに調査する。
これまでのぼろ鳶組の活躍や、新之助を良く知り、
今回の幕府のやり方に納得できない、江戸の火消したちは
新之助を、また、ぼろ鳶組を助けるために江戸中を奔走する!
江戸を襲う巨悪。それに翻弄される人間たち。
しかし、その中で、正義とは何かを知る者がたくさんいる。
ぼろ鳶組と反目しあいながらも、「江戸の庶民を守る」
という同じ目的のために、正義を全うする人たちのかっこよさ。
江戸の火消したちの熱き思いが物語中にあふれている!
そして、新之助の律義さ、優しさ、そして強さが前面に
押し出され、鳥越新之助ファンにはたまらない!
『玉麒麟 羽州ぼろ鳶組』
著者:今村翔吾
出版社:祥伝社(文庫)
価格:¥780(税別)