怪談実話!超短編だからこそ怖さが増幅!「忌み地」

こんなに暑い夏は、クーラーをガンガンに
効かせた部屋で、一人怪談集を読む!
すると、さ~っと身体が冷えてくる。

土地にまつわる「怪談実話集」。

怪談社の糸柳寿昭氏と上間月貴氏が全国各地の
忌み地、いわくつきの物件を中心に取材した。

二人の取材を元に作家の福澤徹三氏が、
小説風に書きおこした、前例のないちょっと
珍しい怪談実話集。

糸柳さんと上間さんが、事故物件が集中
している場所で不思議な現象が相次いで
いることに遭遇。
その件は読むとほんとに怖い。

50編弱の短編だが、怖さや衝撃を狙った
描き方ではなく、取材したことが淡々と
描かれていて、その語り口がよりいっそう
読んだ時の恐怖感を際立たせているような
感じがする。

物語のようにすべてスッキリ回収されて
いなかったり、これどういう意味なのか?
と思ったりするけれど、そこが実話なのだ
からと改めて認識させられる。

特に怖かったのは、「うなる男」
挿入されたイラストが怖すぎた!
そして、「封印されたアパート」。

怪談好きにはたまらない、百物語。

『怪談社奇聞録 忌み地』
著者:福澤徹三/糸柳寿昭
出版社:講談社(文庫)
価格:¥600(税別)