ハラハラ・ドキドキが止まらない!「誘拐遊戯」

知念実希人さんの「誘拐遊戯」(実業之日本社)
時間を忘れて読みふけりました。

女子高生が誘拐され、特殊班の上原は身代金を
持ったまま都内を走らされた。

時間内に犯人からかかる公衆電話に出なかったら、
人質は死ぬ。
上原は人質救出のため、必死に走ったが
最後の一歩が間に合わなかった。
上原ほか警察を手玉にとり、捜査本部を翻弄する
恐ろしい誘拐犯・ゲームマスター。
翌日、女子高生の遺体が発見された….。

上原はその時のトラウマ、また人質を救出出来な
かったことを悔やみ、警察を辞めた。

そして4年後、再びゲームマスターの名をかたる
誘拐犯が現れた。だが、捜査本部は模倣犯を疑う。
なぜならば、ゲームマスターを語った犯人は、
自殺し、被疑者死亡でけりはついていたからだ。

ところが、新たなゲームマスターは以前の特殊班の
メンバー、さらに上原が身代金受け渡しの刑事
だったことも知っていた。
そして、上原と誘拐ゲームをすると言いだした。

今は刑事ではなく民間人となった上原だったが
特殊班メンバーに人質救出のため、捜査に
加わってほしいと懇願される。

そして、誘拐犯と連絡をとることになった上原は
この犯人こそ、本物のゲームマスターだと確信。
上原は過去の自分との決着をつけるため、
再び犯人と対峙する。

次々と無理難題をふっかける犯人。
身代金欲しさの犯行ではなく、上原本人を
ターゲットにし、またしても警察を翻弄する。

ただの身代金誘拐事件ではなく、なぜか
上原に固執する誘拐犯の不気味さが際立っている。
また、病と闘いながら犯人と対峙する上原の
葛藤が臨場感を持って描かれ心に響く。

起伏に富んだストーリー展開に魅了される!
そして、大逆転のありえないどんでん返しまで
すべてが読み手を惹きつける!

圧倒的な面白さを持つ、犯罪サスペンス!

『誘拐遊戯』
著者:知念実希人
出版社:実業之日本社
価格:¥720(税別)