「大江戸科学捜査八丁堀おゆう」第6弾!北からの黒船!?

江戸と現代を往来する、元OLの関口優佳・
通称おゆう。
江戸で起きた事件の謎を現代の科学捜査で
解き明かす!
めちゃめちゃ面白い時空探偵ミステリー。

その第6弾は、ロシア絡みだ。

ロシアの武装商船の乗組員・ステパノフは、
日本の鹿島灘あたりに漂着した。
村人に見つからないように潜入したつもり
だったが、役人に見つかり捕えられてしまう。
ところが、役人の目が離れたすきに逃走してしまう。

江戸では、異人が府内に潜入したと、
鵜飼伝三郎の上司である戸山から直々に話が出た。

トップシークレットだ。その場に集められたのは
鵜飼をはじめとする同心たちと優秀な岡っ引きたち。
その中には現代と江戸で二重生活を送るおゆうもいた。

その異人は江戸に入ったかも・・・という情報で、
極秘裏に異人を捕えよとの命がくだった。

そんな折、ステパノフの移送責任者の配下だった
鉾田代官所手代・狭間甚右衛門が殺害される。

甚右衛門の目撃証言から、割賦のようなものを
持っていたとの情報があがり、そこから
捜索を開始・・・。

捜索の末、江戸に潜伏していたステパノフは
おゆうたちによって捕えられ、お目付役が準備
した隠れ家に幽閉されてしまう。

おゆうは、甚右衛門殺害の謎を探るため、
一旦現代に戻り、現場の遺留品を
鑑定専門の宇田川に預ける。
その折、ステパノフの盗聴を命じられる。

おゆうは盗聴器を仕掛けるため、また事件の
からくりを探るために、ステパノフ付の
女中として、隠れ家に通うことに成功する!

おゆうの機転で次々と暴かれる、ステパノフの
秘密。
彼は一体何者なのか!?

下手をしたら外交問題に発展しかねない大事件を
おゆうはいかにして解決に導くのか!?

今回は盗聴器が大活躍!
外国船がちらちらと日本海に出現し始める頃が舞台。
ロシアのエカテリーナ女帝に謁見した
実在の人物、大黒屋光太夫が登場したり
「異人」をみた江戸の人たちの驚きがリアルに
伝わってきたりと本当に面白い。
そしてクライマックスに描かれたエピソード!
へえ~そういうことって思わず唸る展開!

そして一番興味深いのは、ドローン事件から
江戸にちょこちょこやってくるようになった
宇田川。おゆうをはさんで鵜飼伝三郎と
火花を散らすシーンが、とても面白い!

第6弾も堪能しました!

次回作が待ち遠しい!

『大江戸科学捜査 八丁堀おゆう 北からの黒船』
著者:山本巧次
出版社:宝島社
価格:¥680(税別)