学校での幽霊騒ぎの顛末は!?『理由あって冬に出る』

学校って、ちょっと不気味。夜の校舎はもっと不気味で怖い・・・。
どこの学校にも必ずと言っていいほど怪談話があります。
似鳥鶏さんの『理由あって冬に出る』(東京創元推理文庫)もそんな感じの作品。

「芸術棟」にフルートを吹く幽霊が出るらしい・・・」そんな噂が広がり、芸術棟で練習をしている吹奏楽部の部員がその噂に怯えて練習に来なくなった。
送別演奏会のための練習をしないといけないのに・・・・。
幽霊を否定するために芸術棟の調査を始める、部長と僕、そのほかの野次馬根性丸出しの面々。
しかし、予想に反し本当に幽霊が現れた!?うっそー!!
その話を聞きつけた、文芸部部長で物知り、冷静沈着な伊神さんが加わり、さらなる調査へ!
にわか高校生探偵団が幽霊騒ぎの真相を追う!コミカルな青春ミステリー。

途中でなかなかしゃれた恋愛話もあり!盛りだくさんなエピソードで読み応えがあります。
そして謎を解明する過程は、本格的!しかもラストの衝撃でガツン!

高校生のとき、夜遅くまで部活をやったり、文化祭や体育祭の準備をしたりしていたとき、必ず誰かが幽霊の話をする・・。そんな思い出がよみがえります。ほんわかな気持ちになりました。

『理由(わけ)あって冬に出る』
著者: 似鳥鶏
出版社:東京創元社
価格:¥580(税別)