益々面白くなる、「後宮の烏3」

段々と面白くなってきた白川紺子さんの
「後宮の烏」。シリーズ第三弾を読みました。

烏妃暗殺を目論んだ、烏漣娘娘が恐れる
「梟」とは何者か?
その「梟」が残した羽根に自らの行く末を
重ねる寿雪。

「烏妃は一人で在るもの」という烏漣娘娘
の言いつけに背き、寿雪の周りには
寿雪を慕う者たちが集まってきている。
しかし、寿雪は虚しさから逃れることが
できないでいる。

ある日、寿雪のもとへ泊鶴宮の妃・鶴妃の
侍女が訪ねてくる。
雨の夜にやってくる、幽鬼を追い払って
ほしいという。
寿雪は侍女から詳細を聞くと心がざわつく。
なにかよからぬことが起こるのではないか….?

この事件を皮切りに、不可思議な事件が
次々と起こり、やがて、政治的な思惑に
絡めとられてゆく。

そしてそのことが寿雪を追い詰めてゆく。

2巻までは、宮城内部の事件を中心に
描かれていたが、3巻からは次第に
外へと事件が広がり、スケールが
大きくなってゆくようだ。

寿雪を慕う鶴妃だが、彼女の一族は
不穏な空気を漂わせている。
また怪しげな「八真教」なるものも出現し
高峻や寿雪を悩ます。

また3巻では、寿雪と衛青のつながりにも
驚かされたり、護衛の温螢の寿雪に対する
忠誠心にキュンとなったりと読みどころ満載だ!

そして高峻は、寿雪を「烏」から開放する
一筋の光明を見出す!!!

寿雪の運命はどう動くのか?
4巻が待ち遠しい~~。

『後宮の烏 3』
著者:白川紺子
出版社:集英社オレンジ文庫
価格:¥610(税別)