警察学校を舞台にした警察小説。
主人公の五味教官、その助教で五味の同期・高杉。
所轄の女性刑事・瀬山、五味の娘・結衣など、
魅力的な登場人物の活躍で、シリーズを追うごとに
面白さが増してゆく、「警視庁53教場」。
第3弾の「聖母の共犯者」は、またもや
ありえない展開にページをめくる手が止まらない!
府中警察署強行犯係・瀬山綾乃は、
五味に片思いしていたが、思いを伝え、
念願かなって初デートにこぎつける。
待ち合わせの場所で緊張しながら待っていると
五味からキャンセルの連絡が~。
やけ酒を飲もうとしたところへ、五味の親友・
高杉が、実の娘・結衣とやってきた。
綾乃は高杉とともに五味の家でダウン。
そこへ、囚人が移送中、府中警察署から
脱走したとの連絡が入る。
脱走した囚人は女性。実子に対する過失致死で
服役中だったが、突如脱走を図ったのだ!
緻密に計画された脱走劇。
綾乃たちは、五味の的確なアドバイスで
脱走ルートを追った。
かたや、警察学校では卒業式に向け、式典の
準備が着々と進んでいた。
ところが五味教場の3人の生徒と高杉の姿が
見えない。
五味がそれに気が付いたとき、銃撃音が襲った。
逃亡中の女囚が、4人を人質にとり学校に
立てこもったのだ。
綾乃たちと五味は何が何でも女囚を確保しなければ
ならなくなった。
知略にたけた女囚と五味の推理がぶつかり合う。
警護厳しい学校へどんな手をつかって入ったのか?
なぜ、高杉は女囚を制圧できなかったのか?
謎は深まる!
2転3転する女囚脱走の裏に隠された過失事件の真相。
捜査の過程は読みごたえがあり、非常に面白い。
それに加えて、人間ドラマも熱い!
五味の生徒にかける思い、綾乃に対する決意。
高杉の実の娘に寄せる不器用な愛情。
また生徒たちのドラマも読みどころ満載。
第4弾がどんな展開になるのか?楽しみで仕方ない。
『聖母の共犯者 警視庁53教場』
著者:吉川英梨
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥720(税別)