泣ける!美しいミステリー『すみれ屋敷の罪人』

以前から気になっていた降田天さんの作品。
「このミステリーがすごい」の編集部さん
が激押しされている、『すみれ屋敷の殺人』
を読みました。

昭和初期の大富豪のお屋敷で繰り広げられる
様々な人間模様。
ノスタルジックな雰囲気が漂っていて
とても気に入った作品です。

戦前、名家と謳われた旧紫峰家の屋敷跡から
白骨死体が発見された。
そこで暮らしていた屋敷の主人と三人の姉妹は
終戦前の東京大空襲で亡くなっていたのだが….。

白骨死体の謎を追い、刑事と偽って、
旧紫峰家で働いていたかつての
女中や使用人たちの話を聞く西ノ森。

回想の中で語られる、紫峰家の華やかな生活、
美しい姉妹たち、しかし彼らを襲う不幸は
静かに近づきつつあった…。

二転三転する使用人たちの証言。
彼らに隠された秘密!
そして、西の森の正体とは?

すべてが明らかになった時の衝撃と
胸が熱くなる結末。

ミステリー作品の真相にたどり着いて
こんなに心が震えるなんて!

思わずうるっとしてしまう、切なく美しい物語!

『すみれ屋敷の罪人』
著者:降田天
出版社:宝島社(文庫)
価格:¥690(税別)