読後、背筋がぞ~っとした!「狐火の辻」

2017年度このミステリーがすごい国内編第1位
に輝いた「涙香迷宮」。
超絶の暗号解読ミステリーをドキドキしながら
読んだが、この「狐火の辻」はホラー。
またもドキドキ・・・。

7年前に起きたひき逃げ事件
湯河原の温泉旅館街で起きた交通事故。

さらに郊外で起こった交通事故ではなぜか
車に轢かれた被害者が消えてしまった!

連続する奇妙な事故に興味を抱いた楢津木刑事は、
ネットの噂や街中で起こっている「奇妙なこと」、
・古びた洋館の裏にある沼のあたりを探検する
子供たちに、右手をよこせとなたを振りかざす怪人、
・タクシーから消えた乗客。などなどに
漠然とした繋がりを感じる。

楢津木刑事がなんとなく「繋がる」という
感を頼りに「居酒屋探偵団」なるものが
結成された。
そして楢津木は、18歳でIQ208の本因坊
という天才棋士・牧場智久を引き入れる。

都市伝説か?怪談話か?
次々と語られるストーリーが恐怖を煽り、
背筋がぞわ~っとしてくる。
この一見なにも繋がりがなさそうな話、
何がどうなっているの?
絡まった糸みたいな事件の数々。
しかし、名探偵・牧場智久のアドバイスを
受け、楢津木たちが調査してゆくとやがて
事件の構図が見えてきた!

都市伝説・怪談話がリアルな事件の
真相に繋がってゆく。
しかし、そのつながり方が偶然とは
片付けられない、因縁めいた、何か
大いなる意思が働いているとしか
思えない!

その描き方が実に巧妙で、読んだ後
物語を頭の中で整理したとき、
ものすごく怖くなった!

『狐火の辻』
著者:竹本健治
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,700(税別)