CWA賞、ガラスの鍵賞ほか受賞!凄い北欧ミステリ「許されざる者」

先週1週間の空き時間(バスや待ち時間)で
海外ミステリーを1冊読み切りました。
スウェーデン作家、レイフ・GW・ペーション著
『許されざる者』(創元推理文庫)です。

海外ミステリーの主要な賞(CWA賞、ガラスの鍵賞など)
5冠を達成したミステリー小説です。

国家犯罪捜査局の元敏腕捜査官・ヨハンソンは
定年後年金暮らし。
元職場の近くにあるスウェーデン一と評される
ホットドッグの屋台で後輩たちをねぎらう日々を
送っていた。

その日もいつもと変わらず屋台に寄り、
最高級のホットドッグを食べるつもりだったが、
突如脳に異変を感じその場に昏倒した。
脳梗塞だった。

一命はとりとめたが半身麻痺が残った。
そんなヨハンソンは彼の主治医から
ある驚くべき相談を受ける。
牧師だった父が25年前に起きた9歳の
少女が暴行の上殺害された事件の
犯人について懺悔で聞いたというのだ。

だが、事件はすでに時効になっていた。
ヨハンソンは相棒だった元捜査官や介護士を
遣い、事件を調べなおすことに。

当時、事件の初動捜査が遅れ、さらに無能な
担当責任者が災いして、迷宮入りしていた。

どこの国にも無能な警察官はいるが、
そういう警察官が捜査責任者になったりする。
迷宮入り、冤罪が生まれる原因だ。

ヨハンソンはこの事件の当時の責任者の
名前を聞いて無理もないと思った。

しかし、可哀そうな9歳の少女のために
何としても犯人を見つけ出し報いを受けさせる!

ヨハンソンが探偵役となり、集めた報告書や
当時の調書を読み込み、そこから真犯人に迫ってゆく。
病と闘いながら、事件の真相に迫る姿は
鬼気迫るものがある。

しかし、彼を心から気遣い、そして敬愛の念を示す妻や
刺青とピアスだらけだが仕事のできる女性介護士、
そして、ヨハンソンの兄から紹介を受けたロシア人の
助っ人などがヨハンソンの心を癒してゆく。

重いテーマだが、ユーモアあふれる会話と
魅力的なキャラクターが物語を盛り上げている。

この作品がとても面白かったので、次は
「見習い警官殺し上下」に挑戦!

『許されざる者』
著者:レイフ・GW・ペーション
出版社:東京創元社
価格:¥1,300(税別)