歌舞伎町を疾走する女刑事!『新宿特別区警察署 Lの捜査官』

吉川英梨さんの警察小説シリーズ
「警視庁53教場」、「新東京水上警察」
「警部補・原麻希」「十三階の女」。
どのシリーズも面白くてはまる!

最新作「新宿特別区警察署 Lの捜査官」
は、警察小説としては異色の展開!

家庭を持つ警察幹部の女性刑事・新井琴音、
部下はなんとレズビアンであることを
カミングアウトしたおよそ刑事らしくない
超個性的な刑事・堂原六花。

そんな二人は、新宿のホテルで起きた
女性殺害事件と、歌舞伎町で起きた
無差別殺傷事件を追うことに!

しかし、無差別殺傷事件の方は
事件を起こした犯人も自殺してしまった。

二つの事件は何がきっかけで起こって
しまったのか?

LGBTの人々がが多く集まる
歌舞伎町という街を知り尽くす
堂原の捜査力とL署の面々の奮闘で
二つの事件の真相が明らかになってゆく・・・。

琴音の夫は捜査一課の刑事。
妻が夫より階級が上になったことで、
夫婦仲はぎくしゃく中。

家庭と警察幹部としての仕事の
両立で疲れ果てる琴音。
男性たちの本音は腹立たしい!。
六花の琴音に対する言葉。
あまりにもリアル過ぎて、
読んでいて苦しくなる場面もあった。

この作品、なんでこんなにも
心をざわつかせるの?

また、LGBTの人たちについて真摯に
向き合い、丁寧に描き、少しでも
理解したい寄り添いたいという
思いが感じられた。

今の世の中の、全ての「生きにくい」と
思っている方々に読んでほしい―
これは著者のメッセージ・・・・。

『新宿特別区警察署 Lの捜査官』
著者:吉川英梨
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,600(税別)