暑さを忘れるくらい面白い!冒険小説の傑作『高い砦』

毎日暑くて、座って読書もしていられない今日この頃。
それでも本を読みたくて家探ししたら、涼しそうな表紙の本を発見!
なんと冒険小説の古典的名作!デズモンド・バグリイの『高い砦』(早川書房)ではありませんか!
何年か前までは、海外のミステリー・ハードボイルド・警察小説・冒険小説を読み漁っていた私・・。 いつ頃からか読まなくなり本棚の奥にしまいこんでいました。
『高い砦』、表紙をみたとたんに読みたくなり、ついつい読み出したらあああ~止まらない!
緊急のフライトで飛び立った旅客機がハイジャックされ、操縦士のオハラはアンデス山中の高所に無謀な不時着を強いられた。
機体はひどく損傷し、ハイジャック犯は死亡。
かろうじて生き残ったオハラたち9名は、高山病に苦しめられながらも救助を求め下山する。
しかしそんな一行を突如銃撃が襲う。実は彼らの中に政治的に重要な人物がいたのだ。
その人物を抹殺するために企てられた飛行計画だった。
彼らはまんまと敵の罠におちてしまったのだ。
背後には峻嶮な峰々。絶体絶命の窮地に陥ったしオハラたち一行。
しかし彼らはその人物を助けるために戦う決意をする。
武器も食料も暖房具も何も持たない一行だったが、驚くべきアイディアで敵に挑む!
一行のなかにいた歴史学者のアームストロングは、投石器や石弓を作り、銃撃を回避。
女性たちは傷ついた男性たちを、治療し、励ます。
しかしこのままではみな殺しにあうと考えたオハラは、雪山を超えて救援を要請することを考える。 そこで戦う部隊と、救援を求め雪山を超える部隊と二手に分かれることになる。
果たしてオハラたちはこの窮地から脱出することが出来るのか!?
銃撃戦と雪山で自然との闘い、それぞれの死闘が交互に描かれていて、面白さは2倍!
見ず知らずの人たちが一緒に戦うことによって絆が結ばれる過程、厳しい自然界での死闘、アクション、ロマンス、そしてクライマックスのあっと驚く展開!
小説の面白さがすべて詰まっている冒険小説の最高傑作。
ドキドキわくわく感は最後の一ページまで緩まない。
その面白さは本当に暑さなんて忘れちゃいます!!

『高い砦』
著者: デズモンド・バグリイ 訳/矢野徹
出版社:早川書房
価格:¥940(税別)