探偵小説に新たなヒーロー登場!「IQ」

日系アメリカ人のジョー・イデが生み出した
魅力的な青年探偵、アイゼイア・クィンターベイ、
通称「IQ」。

ロスアンゼルスに住む黒人探偵。
高校生の時、目の前で愛する兄の
事故死を目撃。
そのトラウマを抱えつつ、探偵業を営む。

ある理由で大金が必要になった
IQは、腐れ縁の相棒・ドットソンの
口利きで、大物ラッパーから仕事を
請け負うことになった。

極度のスランプに陥り、自分の殻に
閉じこもって自堕落な生活を送る
大物ラッパー・カル。
ある日、巨大な闘犬・ピット・プルに
襲われた。
そして、IQたちにその犬を使う殺し屋を
探し出して欲しいという異常な依頼してきた。

IQは、そんな途方もない依頼を全力で追う。

IQにとって兄の言うことは絶対だった。
兄を失った今も時々言葉を思い出す。
それに従って生きてきたIQは、
自分なりの正義を秘めていた。

カルの部下やプロデューサーたちは、
そんなことはカルの妄想だから適当に
調査して終わりにするようにIQに
提案するが、IQはNOを突き付け
調査を続行する。

子どものころから頭脳明晰だった
IQは鋭い洞察力と捜査方法で
真実に近づいてゆく。

ロスの黒人コミュニティが舞台。
さらに生粋の黒人ギャングと
ヒスパニック系ギャングの抗争を背景に
アクションシーンあり、まるで
映画のようにスピーディーな展開が
この作品の魅力。

その中でもストイックに生きるIQの
姿が胸を打つ。

コナン・ドイルをこよなく愛する著者。
そのリスペクトが本作品中にも登場する。

シリーズ第2作「IQ2」も発売中!

『IQ』
著者:ジョー・イデ著/熊谷千寿訳
出版社:早川書房(文庫)
価格:¥1,166(¥1,060+税)