前代未聞の誘拐計画!?「誘拐の免罪符」

小島正樹さんの「誘拐の免罪符」(南雲堂)を
読みました。

交番の駐在になりたくて警察官に
なったのに、なぜか手柄が舞い込んでくる、
浜中康平。とうとう県警本部捜査一課に
呼ばれ、刑事になってしまった。

捜査中に、自分が交番の駐在として
街中を自転車で駆ける姿を妄想してしまう。
そんな心優しき浜中刑事シリーズ。

昭和61年5月。
5歳の女児が自宅から誘拐された。

群馬県警捜査一課の浜中刑事と相棒の
夏木大介は、早速捜査に加わる。

郵便受けに入っていたA4サイズの封書。
その中に入っていた一枚の紙には
娘を誘拐した旨と警察に連絡しろという
普通の誘拐犯の指示とは逆パターンの
ものだった。
仰天する被害者家族と警察官たち。

誘拐犯の指示に従い、被害者宅を訪れた
浜中&夏木刑事。
彼らのもとに、誘拐犯から第2の要求が届く。
それは城址公園駐車場の桜の木の近くを
掘れとの指示だった。
その指示は、特に誘拐された女児の父親に
向けたように思えた。

奇妙な要求に従って掘ってゆくと、やがて
あるものが地中から現れる・・・。

浜中刑事と推理力が際立つ相棒・夏木大介は
無事に女児を救出できるのか!?

そして、奇妙な要求を出した誘拐犯の意図とは何?

冒頭から、犯人は明らかにされている倒叙スタイル。
なぜ事件を起こしたのか?
如何にして、自宅から誘拐したのか?
見事な叙述トリックに驚愕!

その真相はあまりにも、あまりにも、
理不尽。そしてその闇が深すぎる!!

そんな事件の中での唯一の救いは、
やはり、浜中刑事の温かさ・・・

『誘拐の免罪符 浜中刑事の奔走』
著者:小島正樹
出版社:南雲堂
価格:¥1,980(本体¥1,800+別)