圧巻の展開!「アリスが語らないことは」

ピーター・スワンソン著「そしてミランダを殺す」
「ケイトが恐れるすべて」に続く、サスペンスミステリー
「アリスが語らないことは」(創元推理文庫)読了。

今回はどんな展開が待っているのか?
ワクワクしながら読みました。
まったく!スワンソンは、ミステリーファン
を裏切らない!!
えッ!?と思わず声がでてしまう意外過ぎる展開。

卒業式を数日後に控えた大学生のハリーは、
継母のアリスから父親の事故死を知らされる。
あまりにも突然の出来事で、ハリーは悲しみよりも
驚きの方が強かった。
友人のポールと二人、急ぎ実家へ戻る。

美しい継母アリスは憔悴し、困惑しハリーに
すがった。
刑事によれば、父親は海辺の遊歩道から転落する前、
何者かによって頭を殴られていたという。
ハリーはアリスにそのことを問いただすが、
アリスは事件について話したがらず、ハリーは小さな疑問を抱く。

ハリーの父親はミステリー小説好きで、自営で書店を2店
持っていた。その二つは、ハリーの父の友人たち
に任せていた。
父親は誰かに恨まれていたのか?
ハリーは父親の友人たちに聞いてみるが、そんなことは
ないだろうと言う。
そんな中、父親の女性問題が浮上する。

彼らの過去と現在を行き来する物語。
淡々と描かれるが、その物語は、徐々に狂気を
孕んでゆく・・・。

父の死は悲劇か、それとも巧妙な殺人か? 

読み進めてゆくとあるシーンで今までの世界観が
一変する。それこそ思わず「えっ?」と一瞬
止まる。そして心がざわつき始める。

えええ~~~ッ

予想をはるかに超えた展開は、それまでの作品を
凌駕する。

凄すぎる圧巻のサスペンスミステリー。

『アリスが語らないことは』
著者:ピーター・スワンソン著/務台夏子訳
出版社:東京創元社(文庫)
価格:¥1,210(¥1,100+税)