今野先生の人気キャラほぼ登場!!「パラレル」は傑作です。

今野ファンをこんなに楽しませてくれる作品はそうないでしょう!
今野作品のシリーズに登場する人気キャラが登場して、難事件を解決する!!
そして、警察小説と伝奇小説が見事に融合した、類稀なる警察(?)小説の傑作です。
前回紹介した「わが名はオズヌ」の賀茂晶グループも登場します。何度読んでも面白くて、はまってしまう今野敏作品です。

横浜、池袋、下高井戸・・・・。非行少年が次々と殺された。
それらの犯行は瞬時に行われ、被害者3人組に外傷は全く無いという共通点が。
いったい誰が何のために・・・。
神奈川県警少年課の高尾刑事と丸木刑事が「わが名はオズヌ」に続き再登場です!

県をまたいだ事件のため、警視庁捜査一課と神奈川県警も登場。
警視庁捜査一課からは、「触発」で爆弾専門の自衛官と一緒に爆弾魔を追い詰めた、碓氷弘一部長刑事と、「人狼」で整体師の美崎とともに謎の事件を追った、赤城竜次部長刑事がコンビを組んでこの事件を追うことに・・・。
そして神奈川県警少年課の高尾刑事と丸木刑事も合流。

そこへ謎の男たちが現れた。鬼道衆の祓い師・鬼龍光一、そして奥州勢の安倍隆景だ。
彼らはこの事件に亡者が関わっていると言う。赤城・碓氷刑事コンビは事件に霊的なものが関わるなど信じられない。
しかし、高尾・丸木コンビは前回の「オズヌ」事件で賀茂晶に転生したオズヌを実際見ているため、非行少年殺害事件には超常的な何かが関わっているのではないかと感じる。そこへオズヌが転生した賀茂晶のグループも現れたのだ。

さらには、赤城部長刑事から秘密を握られている、整体師であり、武道の達人でもある美崎照人、その友人の整体師・吉谷浩二郎も登場し、この事件には武道家もからんでいるのではないかと推理・・・。
亡者、怪しい武道の達人、やくざ、政治家・・・・。事件を追ううちに驚くべき事実が暴かれる!!
バラバラだったピースのかけらが集まって奇想天外な結末に!

警察、伝奇、武道、アクション、今野先生が描き続けているジャンルを見事に融合させ、さらにリアリティたっぷりに描き切った、超警察小説です。今まで誰も描いたことがない、今野先生しか描けない、エンターティメントの傑作です!

『パラレル』
著者: 今野敏
出版社:中央公論新社
価格:¥740(税別)