今野敏先生の人気シリーズ『ST 警視庁科学特捜班』がスペシャルドラマ化!

今野先生の警察小説では「安積班」シリーズ、「隠蔽捜査」シリーズがテレビドラマ化されてとても有名です。
この2本は正統派の警察小説のシリーズですが、今日紹介する『ST 警視庁科学特捜班』シリーズは、刑事が主役ではなく、科学捜査を担当する専門員たちが主役なんです。
刑事は脇役。
しかし、このシリーズは曲者だらけ。キャラクターが半端なく特殊なので、読んでいて飽きません。
しかも嬉しいことに!!とうとうドラマ化。
2時間のスペシャルドラマですが、絶対に連続ドラマ向きなんです。
スペシャルドラマが良かったら、連続ドラマ化にして欲しい~。

シリーズ最初の作品『ST 警視庁科学特捜班』はスペシャルドラマの原作本です。

多様化する現代犯罪に対応するために新設された警視庁科学特捜班。略称はST。
5人のメンバーで構成。この5人のメンバーが曲者だらけなのだ!

まず赤城左門。法医学担当。男の色気をさりげなく漂わせる男。
一匹狼を気取っているが、周囲の人間の心を開かせてしまう不思議な雰囲気を持つ。しかし女性恐怖症。このチームのリーダー的存在。

次は黒崎勇次。科学事故や、ガス事故の専門家。嗅覚が異常に発達していて、チームから「歩くガスクロマトグラフィー」と呼ばれている。そして古武道の達人。めっちゃかっこいいです。

そして男でも思わず見とれてしまうほどの絶世の美男子・青山翔。文書鑑定・プロファイリングのエキスパート。秩序恐怖症に罹患中。雑然とした中でしか仕事が出来ない。そして口癖が「僕、帰っていい?」だ。ああ~ため息がでる・・・。

メンバーの紅一点!物理担当の結城翠。聴覚が異常に発達している。内緒話は彼女の前では絶対にできない。スタイル抜群で、いつも露出度の高い服を着ているので、現場に臨場したとき、周りの刑事たちから「立ちん坊」と陰口をたたかれる。しかしいっこうに気にしていない。

そして5人目は、第二化学担当の山吹才蔵。実家が寺で彼も曹洞宗の僧侶なのだ。家の手伝いも兼ねているので、しばしば僧侶姿で現場に現れ、読経もあげるので、刑事たちをあたふたさせる。

彼らは非常に優秀なのだが、協調性に欠けるので、組織からははみだしものだ。しかし事件に対する眼は刑事たちにも引けを取らない。
こんなメンバーを束ねるのは、若きキャリア・百合根友久警部だ。ちょっと気が弱いので、この曲者たちと現場の刑事たちとの間にたっての調整は大変!胃が痛くなる毎日。しかしメンバーたちに一応信頼されている。

そして、STと現場の刑事たちとの連絡係り的な存在が、菊川吾郎係長。この人、口は悪いけどとってもいい人。STのメンバーを理解しようと努めている。

以上のメンバーで事件解決の糸口を探る。

繰り返される猟奇殺人。組織間のトラブルなのか、あるいはサイコパスの犯行なのか?優秀だがかなり予測不能の彼らSTのメンバーたちが、科学的視野で事件の真相に迫る。

ストーリーの面白さプラス、強烈な個性のSTメンバーたちの活躍が読み出したら止まらず、そのままシリーズ全部読んじゃうくらい面白いです。ドラマを観るのが楽しみ。これをきっかけにぜひぜひ読んでほしいシリーズ。

『ST警視庁科学特捜班』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥648(税別)