『脳男』の著者が描く、ひと味違う警察小説『刑事の墓場』

タイトルを見て驚いた!『刑事の墓場』って・・・・。そのタイトルでついつい読んだら面白かった。
ほんとにひと味違うんですよ!
なんてたって著者は『脳男』という衝撃のミステリーを描いた、首藤瓜於さん。

警察組織からの落伍者たちを飼い殺しにしていると噂される動坂署。そこは警察で不祥事を起こし、表だって処分できない警察官のたまり場『刑事の墓場』と呼ばれていた。
だからそこにいる面々は一癖も二癖もある、一筋縄ではいかない、変人ばかり・・・。

あまりにも意外な転任に腹が立ち、不貞腐れて署内で寝泊まりする雨森は、この転任ですっかりやる気をなくしている。
ある日、雨森は、たまたま聴取した些細な傷害事件の被害者である女子大生の部屋を訪ねて死体を発見する。
開署以来初めて捜査本部が置かれたが、主導権はあっさり本部に持っていかれてしまう。
だがここからの雨森以外の動坂署の面々の動きはすさまじかった!
これまで、署長以下やる気があるのかないのかわからない署員だったのに、彼らはとうとう正体を現したのだ・・・・。
雨森が唖然とするほどに署員が優秀な動きをみせるは、動坂署に隠されたある秘密(?)を守るためだった!?
本来の刑事のとしての本分を取り戻した雨森は、蝶堂とコンビを組んで捜査を開始。
そのスリリングな展開は、警察小説の王道を行く。
果たして、彼らは本部を出し抜くことが出来るのか!
ラストはあまりにも意外!?とにかく傑作です!

『刑事の墓場』
著者: 首藤瓜於
出版社:講談社
価格:¥724(税別)